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□監禁SUMMER
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「セブルス、暑い」

「僕に言うな」

「お日様、暑い」

「……」

「ちょ、何か言ってよ」

「僕は太陽じゃない」


たまには外で楽しくデートでもどうかな、って思ってやってきたセブルスのとこ。だけど当の本人は実験室を独り占めしてフラスコとにらめっこしていた。頭は大丈夫だろうか。


「ねぇ、空気が悪いよ?換気!」

「あっ!馬鹿!やめろ!」

「えー、何考えてんの!?」

「今そんな事したら、薬が台無しだろう。馬鹿か君は」

「ちぇー…あー、ボーってする〜…」


また今度は試験管を振り出したセブルスを無視して窓際へ足を進める。ああ、もう。こんなにも青く明るく晴れてるのに、何が嬉しくてこんな空気の悪い部屋に缶詰なんだろう。


「お日様、ゴメンね。やっぱり恋しいよー!」

「何なんだ、急に」

「暑くてもいいっ!だからセブルスと私をこっから出して!」

「出ていけば良いだろう」


もう、セブルスのわからずや。鈍感。変人。うんこ。あんなに綺麗な空を見て何とも思わないのか。呆れるというか、むしろ心配。


「…あっ」


窓際の水槽が青く、眩しく光っていた。ホンモノの青空よりも涼しげに、小さな波までたてながら。


「セブルス!来て来て!」

「取り込み中だ」

「もうっ!そればっかり!」


視線はまた、水槽に戻る。キラキラ、キラキラ。青空を小さな硝子の箱に閉じ込めたみたい。ジリジリと照り付ける太陽も、こうして見れば可愛いもんだ。


「いいもん。空が綺麗だもん。キラキラしてるもん」

「…頭は正常か…?」

「こっちのセリフよっ!」


そう言ったとき、私の顔が綻んでいたのはセブルスには内緒。




夏空と私、本日監禁されます。




end.
20090720

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