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□なまけもの
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「先輩は、タイツスタイルが好きなんですか?」


それは、前々からのちょっとした疑問だった。やーん、レギュラスくんのえっち、そんなとこ見てたの?こういう言動は無視、完全無視。っけ、レギュラスってば可愛くないのー。先輩こそふざけないでください。


「好きってわけじゃないよ。どうしてそんなこと聞くの?」

「もうそろそろ、タイツだと暑い時期じゃないですか?」

「うん、でも多分、見られたくないんだよ」


誰も先輩なんかの脚なんて見てません。見るならミスホグワーツの女性の足の方がそそります。
何よレギュラスのばかちん。むっつり。変態。


「そうじゃなくて、私色黒だから。イギリスにいたら、よけい色黒なのが目立つんだ、白いレギュラスが羨ましいぞ」

「なんだ、そんなこと」

「されどそんなこと。恋愛小説に『白い雪のような肌に、僕は口付けた』なんてセリフが出てきたときの惨めな気持ちがわかりますか!私には雪のような肌も柔らかなブロンドもありませんよーだ」

「じゃあ何て書けばいいんですか?黒い炭のような肌?」

「わー、一回殴らせろ」


言うだけ言って殴るそぶりすら見せない、背の低い僕の先輩はここでぴたり、とお喋りを止めてしまった。コツコツと足音だけが響く、いやもちろん、他人のしゃべり声だって嫌ほど響いているのだけれど(耳につくのは、僕と先輩の足音だけだったのだ)。


「コンプレックス、先輩にもあったんですね」

「悩み多き若干15歳だもの」

「17でしょう」

「私もミスホグワーツ目指してみようかなー。そしたらレギュラスそそられる?」

「……先輩は、性格審査で引っ掛かるので」

「あ、ちょっと傷ついたよー」

「別に何の努力もしなくても、そのままでいいんです」

「あ、それは嬉しい」

「そうですか、ならよかった」



ナマケモノも
あくびをかま
すほどの




end.
20100422


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