「先輩は、タイツスタイルが好きなんですか?」 それは、前々からのちょっとした疑問だった。やーん、レギュラスくんのえっち、そんなとこ見てたの?こういう言動は無視、完全無視。っけ、レギュラスってば可愛くないのー。先輩こそふざけないでください。 「好きってわけじゃないよ。どうしてそんなこと聞くの?」 「もうそろそろ、タイツだと暑い時期じゃないですか?」 「うん、でも多分、見られたくないんだよ」 誰も先輩なんかの脚なんて見てません。見るならミスホグワーツの女性の足の方がそそります。 何よレギュラスのばかちん。むっつり。変態。 「そうじゃなくて、私色黒だから。イギリスにいたら、よけい色黒なのが目立つんだ、白いレギュラスが羨ましいぞ」 「なんだ、そんなこと」 「されどそんなこと。恋愛小説に『白い雪のような肌に、僕は口付けた』なんてセリフが出てきたときの惨めな気持ちがわかりますか!私には雪のような肌も柔らかなブロンドもありませんよーだ」 「じゃあ何て書けばいいんですか?黒い炭のような肌?」 「わー、一回殴らせろ」 言うだけ言って殴るそぶりすら見せない、背の低い僕の先輩はここでぴたり、とお喋りを止めてしまった。コツコツと足音だけが響く、いやもちろん、他人のしゃべり声だって嫌ほど響いているのだけれど(耳につくのは、僕と先輩の足音だけだったのだ)。 「コンプレックス、先輩にもあったんですね」 「悩み多き若干15歳だもの」 「17でしょう」 「私もミスホグワーツ目指してみようかなー。そしたらレギュラスそそられる?」 「……先輩は、性格審査で引っ掛かるので」 「あ、ちょっと傷ついたよー」 「別に何の努力もしなくても、そのままでいいんです」 「あ、それは嬉しい」 「そうですか、ならよかった」 ナマケモノも あくびをかま すほどの end. 20100422 |