猫を拾った。一応フクロウ便とかで飼い主さんを探してみたけど、一向に見つからなかった。こんな猫、見たこと無いってみんな言うんだ。 「君はいったい、どうしてホグワーツに来たの?普通の猫ちゃんじゃないか」 猫を胸に抱いて、寮へ向かう。ちょいちょい、と人差し指で猫の喉元をくすぐると、ゴロゴロと気持ちよさそうにないた。 「君は僕に引き取ってほしい?……僕、狼だけど」 ニャ、猫は小さくないてゆっくりゆっくりまばたきをした。うとうと。 「リーマスくん?それ、にゃんこ?」 「うわぁ、びっくりした。あーうん、さっき拾ったんだ」 「へーえ、可愛いね」 ハナコに撫でられても、猫は嬉しそうにするわけでもなく、目をしばたいていた。 「抱っこしていい?」 「うん、僕の猫じゃないけどいいよ」 わき腹から持ち上げられて、猫はぶらーん、と四肢を投げ出した。そんな猫にハナコは頬ずりしたり、キスしたり。可愛い可愛いと抱きしめたり。 「外で拾ったからあんまり綺麗じゃないよ?」 「大丈夫!」 ハナコは最後にもう一回、猫の狭いおでこにキスをして、僕に猫を差し出した。たいそう不機嫌な顔の猫は僕をじろり、と睨んだ。お疲れ様。 「今思い出したんだけどね」 「?」 「私次の授業、飼育学だった。移動しなくちゃね」 「あ、そっか。じゃあ」 「うん、またね」 ぱたぱた、と走っていくハナコを見送ってから、僕は猫に向き直った。 「君、羨ましすぎるよ。僕が今君のおでこにキスしたら、君は怒るかい?」 猫は、ついっ、とそっぽを向いた。可愛くないやつ。そうこうしているとホグワーツの予鈴がなる。 げ、今思い出した。僕の次の授業、魔法薬学じゃないか。 トラブルメイカー end. 猫は白に茶斑の日本猫なイメージ。 |