本2

□恋する動詞
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011.逃げる

もう逃げられない
愛しさも、苦しさも、悲しさも、
この恋の甘さも苦さも

すべて知ってしまったから




012.囁く 【02】

その囁きは狂おしい程に甘く切なく
私の脳を侵食してゆく

これは罠なのだ、私の思考を奪う為の
(その声に囚われてしまえば最後)
(もう何も、考えられない)




013.慰める

嫌、やめて、そんな言葉で片付けないで
あなたが私たちの何を知っているって言うの
お願いだから一人にして

(思い出の中で生きさせて)




014.別れる

「じゃ、またな」
「うん、またメールするね」
「ん」
「…じゃあ、ね」

別れた途端感じる飢餓感
愛して愛されて、体を重ねて求め合って

それでも、まだ
(まだ、足りない)




015.待つ 【04】

いってらっしゃい、なんて
言う方の身にもなってよ
いつ帰ってこれるか分からないなんて、酷過ぎる!

(職業が旅人な人の彼女)





016.ときめく

僕の脳はおかしくなってしまった
一日中、あの人の事ばかり考えているんだ

僕の心臓はおかしくなってしまった
あの人が視界に入る度、動悸が止まらないんだ

僕の目はおかしくなってしまった
あの人だけ、きらきら輝いて見えるんだ

恋煩い
(この病は治療不可能)




017.自惚れる【02】

無表情なあなたの、その表情の「理由」
それがあたしって
自惚れてもいいの?

(その笑った顔が何より好きだよ)




018.触れる【02】

君のその、白くて滑らかな肌に
ずっと触れていたい、だなんて
つい、疚しい事を考えてしまう

(これって変態?)
(変態だって、恋位する)





019.寂しがる【04】

いつも待たせてばっかりで
寂しい思いばかりさせてるのに

そんな俺が、「さみしい」なんて思っていい訳、無い

(でも、やっぱり)
(あいたい、あいしたい)




020.思い出す

最後に会ったのはいつだったか
何も思い出せないんだ

最後にあいつはどんな顔をしていたんだっけ

(あの時僕は、泣いていたから)
(あいつも泣いていたのか、それとも、)




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