novel*その他

□ナンバー6927
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「なんでナンバープレートにむかつくんですか?」
「君は6927って聞いたら何て思う」
「・・・6、927・・・?」
「うん」
「・・・ろ・・・ろく・・・に・・・な?」
「ムクツナでしょ。馬鹿だね君」

ワォ!そんなこと言われたくないよ・・・って、

「ムクツナァ!?・・・まぁそうですね。読みようによっては・・・」
「むかつかない?」
「・・・え。そうですか?」

・・・あれ?何か雲雀さん不機嫌じゃね?
って思った瞬間、頬を雲雀さんに摘まれて横に引っ張られる。

「いひゃいひゃいひゃいっ!!!」
「むーかーつーくーよーねー!」
「ひゃいひゃい!むかちゅきまひゅ!!ごめんなひゃい!!!」
「・・・」

頬を摘んでいた手が離れていく。
ひりひりしてすっごい痛いんですけど、ねえ雲雀さん。

「あのパイナップルと変なことしたら咬み殺すよ」
「ひぃっ」

雲雀の周りにどす黒い殺気のようなものが渦巻いた。
思わず悲鳴を上げてしまう。

「返事」
「って、なんで俺が骸なんかと」
「返事」
「ひぃ!ははいっ」

1回目よりもどすの利いた声で言われては返事するしかなくなってしまう。
てかなんでそんなことでむかつくんだろう。
それが表情に出たのか、雲雀が溜め息をつく。それと同時にツナがびくりと反応する。

「あのね、君は僕のモノなの。他の、しかもあのパイナップルと一緒とか許さないよ」
「・・・はぁ」

てか俺は雲雀さんのモノなんですか。
まぁそんなとこ気にしてたら精神的に病んでしまうと、いつだったか諦めた。

ッフ、と唇に暖かいものを感じる。
一瞬だったが、目の前に広がる黒い影に何があったか理解してしまう。
ぽかんとした顔を撫ぜる。
自分より大きな手は、トンファを握ってるせいか所々が硬くてそれがわずかな刺激になった。

「ひ ひひひひひひひひひひばっ」
「何」
「なななにってこっちの台詞ですっ何するんですかっ」
「何ってキスだよ」
「いやいやいやっっ」

そんなのわかってますっ!と叫ぶが雲雀は至近距離のまま青くなったり赤くなったりする顔が面白いのかまだ撫ぜたままだ。

「僕のだってことだよ」
「はいっ!?いやいや雲雀さんのモノじゃないし・・・」
「・・・へぇ?」

ワォ!雲雀さん怖いよ!!
大きな琥珀色の目に涙が溜まる。

「ま、そういうことだから」

どういうことですかっ!!
ツナの悲痛な叫びは雲雀に届くことなく、あくまでノーマルなツナの苦悩な日々が始まるのだった。





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