novel*その他

□悲恋―黒子のバスケ
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//もう叶わないけれど
黄→←黒 黒子独白





バッシュのスキール音とボールの弾む音が体育館の中に響く。
ダムダムど、時々不規則に聞こえてくるボールの音に、なんだか心地よさを感じた。

心地よさを感じるには、この体育館は汗やらの臭いで感じにくくなるものだが、今の自分にはそれがとても満ち足りるものなのだ。

――帝光時代には感じることのできなかった心地よさ

それがここにはある。

負ける自信などない帝光バスケ部の方針はあまりにも退屈なものだった。
だからあえて自分をあまり知らない、新設の誠凛高校へ行った。

――恋をしていた

それは叶わぬ恋。
だがその恋は自分のものじゃない。彼―黄瀬君は自分を―黒子を愛していた。
それも傍目からでもわかるぐらい。

だから叶わなかったのか。

あまりに想いすぎて何も手に入らない。
それが黄瀬君だった。

傍目からでもわかるソレに気付かないほど自分は鈍感じゃない。
だから当然黄瀬君の気持ちに気が付いた。

――気付かなかったのは自分の気持ちだけ

今更ダラダラ考えるのも嫌だから。それに自分には火神君の影になると、そう誓ったから。


――きらきらしたものが零れ落ちて、

気付いた時にはもう叶わないけれど…――。






END
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