特設ページ

□それは宣戦布告という名の
2ページ/4ページ















思考がスパークして何も考えられない。

――…ぃ…

戦場で愛しの姫を守って死を確信した時のソレに酷く似ている。

――ミ…ェル……ぃ…

あの時は本当に一瞬で、走馬灯のように愛しいその顔が何度も浮かんだ。
だけど今はソレとは違っていつまでも続く白い闇のようだ。

――ど…っ……シェルっ…お…いっ…!

耳障りな静寂がゆっくりと晴れてゆく。

気付いたそこには愛しいアルトがいて。ずっとこの距離が保てると思っていたのに。


「おいっ!ミシェルっ!」
「…どうしたの?そんな怖い顔しちゃって」
「お前がいけないんだろっ!」
「?」

何を言っているのかわからない。
ゆっくりと、状況を確かめた。

愛しいアルトの顔の後ろに広がる艶のある髪。
アルトのその美しい顔には自分のと思われる影が掛かっていた。

そこで漸く、自分とアルトの状況に気付いた。


「…何やってんの?」
「っ、それはこっちの台詞だっ!」

噛み付くようにアルトは叫ぶが、いまいちよくわからない。


アルトの両腕はミハエルによって抑えつけられ、その細い体に自分は跨っていた。

アルトの乱れ具合からして多少なりとは抵抗を見せたようだったが、きっと自分の力には適わなかっただろう。


「何それ、誘ってんの?」
「っ!」

僅かに開いたズボンとシャツの隙間に手を差し込む。
久しぶりの滑らかな肌に、自分が欲情していることに気付いて苦笑を零した。
アルトは抵抗しようとするが、頭上に腕を纏め上げられていて適わない。

「適わないって自分が一番知ってるくせに」
「っ、うっせ!」
「強情なお姫さん」

過去に、ミハエルによって慣らされた身体は簡単に熱を帯びる。
素直な身体なのは互いに変わらず、ということか。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ