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□幸せの中の悩み
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――アルトとシェリルが子供を授かってもう3年が経った。

子供が産まれてからの一年は、体力も衰え、2人をお腹に抱えていたシェリルのお腹の皮膚は伸びていてそれを以前の状態を戻すこと。そして何より子供たちの子育てを優先していた。


アルトに似た姉と、シェリルに似た弟。それが2人の子供だった。

姉――露人(つゆと)はアルトの幼き頃にとても似ていた。性格は、母親譲りのため目つきはきりりとしていた。
アルトの名前とシェリルの名前を足したその名前はとても男らしくて、『露』と略されて呼ばれていた。

弟――レフュジーはシェリルが短髪になったような、だけどシェリルのような釣り目ではなく、優しそうな顔をしていた。
『レフュジー』とはシェリルの歌の歌詞の一部から取ったものだ。


父親は元早乙女一門跡取りのエースパイロットの軍人。母親は宇宙を股に掛けて大活躍する銀河の妖精。

幸せな、誰もが羨む家庭だ。だが、実際はアルトは軍人でいつ死ぬかもわからず要請があれば必ず出なければいけない。
シェリルは家にいる時間の方が短く、街中の掲示板で見ることの方が多かった。

そんな多忙且つ有名な両親を持つ露人とレフュジーにいつも悪い思いをさせているとシェリルは嘆いていた。

それはアルトも同様に思っていたことだが、アルトとシェリルの道は自らが選択し進んでいるから、そう易々と休むことは叶わない。

露人とレフュジーはまだ3歳だ。2人だけで家に置いておくわけにはいかず、結局はS.M.Sで暇な人に面倒を見てもらうしかなかった。
保育園に預けるということも出来るが、話題性のある露人とレフュジーをあまり外には出したくないというのがアルトの考えだ。
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