novel*その他

□夕日の光さす廊下で愛の告白を
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窓から家に帰ろうと走っていく生徒が見える。
時に友達としゃべりながら帰って行く人もいれば、ピカゲがクビになってから急
激に増えたカップルも手を繋いで歩いていた。

忘れ物とかなんとかで再び学校に来ていた藤丸を呼び止めて一緒に帰ろうと身支
度をしていた。
藤丸は用のない部室まで一緒に来て、自分の身支度が終わるのを待っていてくれ
ているようだ。

「音弥ーまだー」

「もうちょっとだ。もう少し待ってくれ」

「むー…、俺も手伝うよ」
背後から分厚い本を取ろうと腕が伸びてくる。座っている自分の右の肩に藤丸の
胸が当たっている。
本棚に並べられた事件やスクープの記事を整理していたが、どうやら藤丸を待た
せたらしい。
急いで本を本棚に戻していたら手伝ってくれるらしく、藤丸も本を本棚に戻す作
業をしてくれた。

耳元に、藤丸の息がかかる。
無意識に心臓が飛び跳ねた。

至近距離で見る藤丸の顔はどちらかと言うと可愛い部類に入る方だ。
藤丸は自分のことをモテないと言うがモテているのが現状だった。
どうやら藤丸には隠れファンが多いらしく、朝田もその一人に入るのだろう。

「…ん?どうした、音弥」
「あ、いや、なんでもない」

はっと我に返って、止まっていた手を再び動かす。

テーブルに山積みされていた本は、藤丸の助けあってか、早く終わらせることが
できた。


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