novel*00

□美女襲来
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「………………、なんだ、その格好は…」

たっぷり30秒。彼―彼女と言うべきか―の姿を見て考えた。

そこに立っていた人はとてもティエリアに酷似していた。
すらりとした体。ふくよかな胸。白い肌。長く艶やかな光沢を放っているパール色の長い髪。
ロックオンに疎いだの鈍いだの言われる自分でもわかる。

―美人だ…

でも彼女…ではなく、彼はティエリアなのだ。
そう、ティエリア、なのだ。

「俺がマイスターというのをバレるわけにはいかないんだ」

その声もティエリアだ。
少し低い、だけど少し甘い声音。ティエリアだ。
「…似合って、いるな」
そうか?と言って、彼じ…彼は微笑んだ。
「刹那に言われると嬉しいな」
「ちょぉぉぉっと待ったぁぁぁぁぁ!!」
「…なんだ、鬱陶しい…」
「なんだはこっちの台詞だ!なんなんだその格好!!」

顔が少し青ざめているロックオンが叫ぶ。

「だからさっきも言っただろう、マイスターだと」
「違うッ!!」
話しを無理やり糾弾させられた。
―ピシリと何かが割れた気がしたが無視しよう…。

「…だからなんなんだ、ロックオン・ストラトス…」
「おおう、そんな顔したら美人が台無しだぞ…ってそうじゃない!なんでお前は一番に刹那に見せに行く!!」
なんだ、そんなことか。と、ティエリアは優雅に溜め息を付いた。
「そんなのあたりまえだろう。なんたって刹那は俺の伴侶なんだから」
―いや、伴侶じゃない付き添いだ。
「それにお前!刹那に色目使っただろ!」
―…色目ってなんだ…。
「ふん。俺は美人だからな。無意識になってしまうんだよ」
―自分で言うな。


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