記念小説

□赤いフラメルコート
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「あっ、兄さん兄さん!」
「こほっ、どうしたー?」



それは春も近い温かな時。
身体を取り戻すという念願も叶い、早くも1年が過ぎようとしていた。

エドワードは身体を取り戻した今でも錬成陣なしの錬成が可能で、大総統死去以来不安定になった軍部を、ロイを手助けしたいと言い出した。
アルフォンスは、数年振りの生の身体で慣れないのか、今のように動き回るまで回復するのに半年を費やした。

簡単な錬成しか出来ないアルフォンスは医学の道に進みたいと、エドワードとは別の道を選択していた。



身体の不自由なアルの傍にいたいと、1年の猶予はもう尽きる。

明後日にはリゼンブールを離れ、1人、セントラルへと向かう。

現在、そのための大掃除中なのだ。
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