番外編
□浸食する独占欲
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床に座ってソファーに背中を預けて雑誌を読んでる一司を見てたら眠くなっちゃった。
ぼーっとしながら一司の黒くなりかくた金髪に指を絡めた。
「ひとしくんは髪の毛染め直さないの?」
クルクルと回す。短髪にしては柔らかいんだわ、これが。
「もう少し放置しとくかな」
「ふーん。嫌いじゃないけどねん」
黒と金って人によっては汚いとかって言われちゃうんだよね。
「でももったいないなぁ。一司クンの黒髪好きだったのになぁ」
「…そうなのか?」
「可愛かったんだもん」
ソファーに寝転んで一司の髪を間近で見る。
なんだそれ、と言われた。
「何かこの色、俺の金色に似てるよねぇ」
まぁ、俺のは天然色だから完全一致は多分無理だけど。
「元の金色に似た色を作ってもらったからな」
「手作り?」
「Bbのメンバーに調合出来る奴いんだよ」
「へー…………………おん?」
俺何か聞き流した言葉あった気がする。
『元の金色に似た色を作ってもらったからな』
「何でわざわざ俺の色…」
元さんビックリ。
「金に黒が浸食して、まるで元ン中に俺が融けてるみたいじゃねぇか」
……………………わお。
「ガキみたいな独占欲だよ」
end