バサラ小説
□約束は守ったり破ったり
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「なら…」
「…え?」
「俺がそれらを直したら…お前、俺の所に来るか?」
何を言ってるんだと頭一つ分大きい彼を見上げれば、先程の動揺を微塵も見せていない真剣な顔で小十郎は佐助を見ていた。
「え?…来る…って?」
「お前…俺と一緒に暮らすのは嫌だと言ってただろ?」
「だって四六始終あんたと一緒だなんて嫌だもん」
結構束縛の激しい彼と一緒に住んでしまえば一歩も外に出させてもらえないだろうと危惧して、佐助はそれだけは嫌だと小十郎に話を持ちかけられた時に断った
。
しかし小十郎はまだ諦めていなかったらしい…と佐助はうぅと唸った。
「だから別れようって…」
「それはならん」
「あんたと合わないんだよ俺様っ…離せって」
「…ならわかった…別れてはやる」
その妙な言い回しに佐助は嫌な予感がして、抱きしめている腕から逃れようと試みたが敵わずにジタバタとそのままもがいていた…が。
グイッと顎を持ち上げられちゅっと軽く口づけられた。
「今夜は手加減はしないぞ」
あぁ珍しくいい笑顔をしてるなぁと思わず呆けてしまった佐助であったがハッとしてタンマタンマとまた近付いてくる顔を手で制した。
「ふっふざけんなっそれこそ自分勝手じゃねえかっ!!!」
「ならなるべく努力はする…から褒美ぐらいくれてもいいだろう?」
シャツの中に入ってくる手を制しながら、佐助いいだろう?と聞いてくる小十郎に流されそうになりながらも佐助は一つ二つ頷いた。
「っ…ああっもうっわかった!わかった!!わかったよ!!!あんたがちゃんと変わったら行ってやるよ…けどもし直りもしないんだったら問答無用で別れるからな」
「わかった」
そんなこんで自分勝手が嘘のように無くなった小十郎と一緒に暮らすハメになってから、また前のような傍若無人さに戻ったため佐助は家を即出ていくと共に別れる事を決意した。