バサラ小説

□結局は好きになるんだけどさ…
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「…消えそうなところ」
「え…」
「許せねぇ」
「はい?」
「いつも…勝手に現れては勝手に喋ってていつの間にか消えてやがる」
「え…すみません…嫌だったならもう…」
「最後まで聞きやがれ」
「ひっ…ごっごめんなさい…」

にしてもいつまで抱きしめられているんだろう…顔が熱い…。

「忍は死ぬとき誰にも…主にもわからないところで死ぬと聞く」
「あぁ…うん…」
「それが許せねぇ」

何を言ってるんだとそらしていた視線を戻せば、真剣な目で見つめられていて…。

「いつも…俺の中をかき回すだけ掻き回して…ある日勝手に消えやがったら」
「かきまわしてなんか…」
「許さねぇからな…猿飛」
「いっいや…だからって急になんで」
「…事を起こしておけば死ぬ間際に一瞬でも俺を思い出してくれるかと」
「ばっ、馬鹿か?!」
「俺は本気だ。お前が俺の知らない所で死ぬんだったらせめて最後ぐらい…俺の顔を思い出して欲しいだろ」

珍しく顔をそらして頬をわずかに赤く染めるのを見て…もっと頬が熱くなるのを感じた。

「死ぬわけないだろ?!俺様そこまでやわじゃないっ」
「だったら…俺を不安にさせんな」
「んな…こと言われたって…」

困る…と小さな声で呟くように言う。
ああ…なんか自分気持ち悪いくらい今女みてぇ…と逃げ出したくなってきた。

「好きって言われても正直困る…よ…」
「そうか…」

あっ声が落ち込んでる…。
妙な罪悪感が胸を占めるが付き合えるわけもない。
諦めてもらうしかないと何も言わずに厚い胸板を押した…のだが…。

「ちょっと?!」
「よしわかった」
「何が?!」
「契りぐらいは結ぼう」
「いやっぐらいって何?!」

肩にかつがれ隣の部屋に連れていかれてギョッとなった。
布団が敷かれている…枕が二つ並べられている…。

「これもまた手際良すぎない?!!」

ばすっと放り投げられた…逃げ出そうとすれば何処からか取り出したのか刀がドスッと顔の真横に突き刺さる。

「ちょっ…勘弁してくれっ!!!」
「まずは契りを交わしてから愛を育むか」
「いやぁっ脱がすなぁっ!!!」
「痛くしないようには努力してやる」
「ぎゃあっ触るなぁっ!!!誰か助けてぇっ真田の旦那ぁ!!!竜の旦那ぁ!!!」
「大人しくしやがれ」
「うわああああっ」



















「おうご苦労であった佐助…ところでいつもより遅かったようだが…」
「聞かないでっ!!!いやだもういやぁっ」
「さっ佐助?!どうしたのだ?!」
「…うっうっ…しばらく休ませて下さい」
「あっ…佐助?!」

そして奥州から帰って来た佐助は一週間ほど自室ですすり泣いていたそうな…。
何があったかは想像におまかせします☆


 
 
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