バサラ小説
□結局は彼に甘い自分
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「なんで知ってるのよ」
「お前の事なら全部知っている…まず…」
「ぎゃあっやめてぇっもう何も言わないでぇ」
これ以上聞いてしまえば間違いなく自分の忍としての自尊心やらなにやらが傷つけられそうな気がして耳をふさいだ。
ふさいだらその両手を包みこまれて、なんだ?と顔をあげればチュッと音をたて唇に柔らかい感触が…。
「なっ、ななな」
それを見て動揺したのは自分よりも勘九郎のほうで、自分といえば半ば呆然としていた。
「…破廉恥だぁあああ」
そう叫んで烏に戻り飛びさっていく様は真田の旦那にそっくりで…。
ああ…うぶな所は主に似てしまったんだと思っていれば体を引き寄せられていて…。
誰にってそりゃあその人しかいないわけで…。
「何やって…」
「いいだろ?」
「駄目に決まってんだろ」
とか言いつつ結局流される自分はどうなんだと思うがもう仕方がないと諦めるしかない…。
(助けてって言っても勘九郎来てくれないだろうしね)
しばらくは頭を冷やしに何処か空を飛んでいるであろう烏を哀れに思いつつ、うぶな烏が逃げ出すのも計算にいれていた目の前の男に散々体をいじくりまわされて気持ちいいと感じてしまう自分はやはり駄目だなぁとぼんやり思うのであった。