バサラ小説

□猫忍
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「はぁ…これがかすがについてたらもう俺様それを見れただけで幸せなんだけどなぁ…まああのボンッキュッボンッ見れるだけで男としては幸せだけどさぁ…やっぱりこれが男にって…」

そうブツブツ言いながら目の前にきた尻尾を指ではじき、何をするでもなく佐助は木の枝に座り足をブラブラさせていた。
森の奥深く…ここならば動物以外誰も来ないだろうと一つ伸びをした。

「こんななりじゃあ忍びに行けないし、あの人がいるから屋敷にも戻れないし…んじゃま昼寝でもしましょうかね」

木の幹に背を預けまぶたを閉じる。
意識だけは保ったまま体を休ませようとすれば何やら近頃馴染んできた気配を感じた。
それもどうやら近付いてきているらしい…。
その証拠に下のほうの茂みがガサガサと動いている。

「…まさか…」
「おいっ猿飛っ!!!」
「げぇっ?!」

まさかここまで来るとは思わず、下の方を見ればあの人がいて…。

「…」

とりあえず気配を殺して隠れてみるが、彼の人を相手に完全に隠れられた記憶がない。
何故かすぐに見つけてくるのだ。
今回も残念ながら例に漏れなかったらしい…。
自分のいる木がガサガサと勢いよく揺れた。

「うおおっ?!ちょっやめて落ちちゃう!!!」
「落ちればいいだろ…俺から隠れようなんざ百年早ぇよ」

拳を太い幹に叩きつけた男を睨みつければもう一発ドゴンッと拳が入った。
殴られた木が可哀想だとかそんな事を言っていられない…。

「早く降りてこい」
「目が怖いんですが…」
「…抵抗する分後で酷いぞ」
「どんな脅しですか?!ってかこの間だってただ書状届けに行っただけなのに酷い仕打ちしてくれたよねあんた!!!腰が痛くてしばらく仕事出来なかったんだからなっ!!!!」
「そう言いつつ随分俺の下では可愛く…」
「あんた何か性格変わってない?!とにかく今日はやだし帰ってよ」
「…お前も生えてんだな」
「っ見るな!!!馬鹿っ阿呆っ!!!…だから嫌だったんだよあんたに会うの」

ヒョイとまた隠れた佐助が会いたくなかった人物…小十郎は木を容赦なくもう一発殴った。
 
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