バサラ小説
□猫忍
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「おお、お客さんとは政宗殿でござったか!!どうも久しぶりでござる」
と頭を下げる幸村の頭にある猫耳を見て、幸村の傍まで来た政宗は噂は本当だったかと楽しそうに呟いた。
「噂?」
「最近妙な噂が流れててな、可愛い顔してるやつとか綺麗な顔してるやつ男女関係なく獣の耳がつく病が流行ってるんだとよ。まあ命にかかわりないから安心しろ、あとそれはいつか消えるらしいしな」
「ほぅ、そうでござったか。別段某は気にしてはいなかったのでござるが…佐助のほうが何やら気にしておりましてな…」
佐助と言う言葉にピクリと小十郎が反応する。
「真田」
「なんで御座ろう?」
名前を呼ばれてピクンと三角の耳を動かし小十郎の方に幸村が向くと、政宗はそれを見て確かに可愛いなと心の中で呟いた。
「お前の忍は何処だ」
「佐助でござるか?佐助なら先程外を見てくると出て行かれましたが」
「…そうか」
「Hey!!小十郎!!!探しに行きてぇんなら構わないぜ?」
僅かにため息を吐いた小十郎に政宗は意地悪な笑みを浮かべてそう言った。
「…私が目を離したすきに真田と二人で無茶苦茶な事をするんじゃないでしょうね?」
ギッと軽く睨めば、んな無茶なことはしねぇからさっさといけと政宗は片手をヒラヒラさせた。
某も無茶はしませぬぞ!!!と力強く幸村も同意する。
無茶じゃなければいいということでもないのだが小十郎はとりあえず政宗の言葉に甘え佐助を探しに御免とその場を後にした。