バサラ小説

□願わくば
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「猿飛…お前は忍だ…いつ死ぬかもわからねぇ」
「そりゃあ…ね…」
「お前がなかなか帰ってこないなんて聞いた日にゃあ俺はお前を探しまわるだろうな」
「…主置いて?」
「真田がいるだろう」
「…馬鹿じゃない?たかが忍に…って痛い痛い!!!だから親指やめろ!!傷開くだろっ?!」
「お前は相当俺を怒らせたいらしいな」
「だってホントの事だし…」
「俺はお前が好きなんだ…猿飛…いや…佐助…お前の代わりなんていやしねぇ…だからお前が傷を負ったと聞くたびに俺はお前をこの腕の中に閉じこめておきたいと…そう強く思っているし…それを実行に移したいとも思っている。いつか真田や信玄公の許可を得て正式にお前を俺のものにするつもりだ」
「…」

真剣な眼差しを向けられ佐助はそれこそ体が動かなくなり視線を外すことが出来なくなった。
同時になんとも言えないものが体を満たして目頭が熱くなった。

「…っ…」

ポロッと自分の意思とは関係なく溢れだすその雫を拭うことが出来ず、佐助は彼が自分の事をそこまで大切にしていてくれてたんだとあらためて知り胸がキュウとなるのを感じた。
 
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