バサラ小説

□結局は好きになるんだけどさ…
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「っで?答えはいつになったら聞けるんだ?」
「なっなんの事かな?」

真田の旦那から竜の旦那への書状を届け終わり、さあ帰ろうと思った時に…右目の旦那に捕まった。

「言ったはずだが…この前逃げやがっただろう」
「…」

壁と右目の旦那に挟まれて、顔のそばに手をつかれ足の間には膝が割り込まれていて…妙に顔の位置が近い…。

「逃げたなんてそんなぁ〜…俺様はあの後急ぎの用事があったから帰っただけで」

同盟相手である重臣を張り倒せるわけもなく…俺様はとにかく密着している体を両手で肩を押してこれ以上の密着を防いだ。

「それに答えって…?」

嫌でもひきつる顔…それを近くで見ながら右目の旦那はあぁ…そんなに言って欲しいのかと嫌な笑顔を向けてきた。

「好きだ…お前が欲しい」
「…いや…あのさ…それって冗談じゃないの?」
「冗談を言ってなんの特になる」
「あー…じゃあさ…俺様にそれを言って右目の旦那はなんか特になることあるの?」
「お前が手に入るだろう?」

なあ猿飛…と耳元で囁かれぶつぶつと肌が粟立つのを感じた。

「あの…近い…ですけど」
「ああ?なんかまずい事でもあんのか?」
「いやいや…普通まずいでしょ…いくらここがあんたの部屋だからって…人が来ないなんてこと…」
「人払いならした」
「手際良すぎない?!」
「お前を手にいれるためならなんだってするさ」
「もっもしかして右目の旦那溜まってるんだろ?おっ女抱きなよっ!!!ね?そしたらそんな変な事…」
「溜まってねぇ…お前で抜いてる」
「はぁっ?!」

目が…目が本気です…それとなんか爛々としてきてる?!

「もしかして右目の旦那って…男色派?」
「んなわけねぇだろ…お前だけだ」
「なっ何で俺様なのかな」

ひくりとひきつる頬…その頬にさわっと右目の旦那の手が触れる。

「右目の…」
「猿飛」
「あの…ホントに離れてくれませんかね…これじゃあ…げっ?!ちょ…」
「猿飛」
「右目の旦那…やめっ」
「猿飛…好きだ」
「んぅっ?!」

忍装束を脱がそうと動かされた手の動きを押さえようと意識を手に取られて、いきなりの接吻に俺様は抵抗することを忘れた。
否…動けなくなった。

「んっ…んぅ…ふっ…」

初めてというわけではないのに…体の力が抜けそうになりギュウッとすがるように右目の旦那の陣羽織を握りしめた。
やっと解放されて…ハッとなり急いでバッと離した手を引き寄せられ少しあいていた距離がなくなった…。

「猿飛…」
「離してくれっ…なぁっあんたおかしいよ!!!」
「何処がだ」
「いや色々っ…俺様女じゃないし…それに忍だし…」
「忍…か…忍だな」
「…だから諦めてくれよ」

ギュウッと抱きしめられ、嫌でも鼓動が高鳴る。
聞こえてないよな?と無意識に胸元を押さえていた。

 
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