バサラ小説

□乙女の恋心
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政宗と幼なじみだったから傍にいたその人とは面識があって…ただポツリポツリと一言二言話すようになって、新たな一面なんか発見したりして…そう…気がついたら好きになってたんだ。



「佐助っ!!!遅刻でござるっ!!!」
「お嬢さんカレンダー見なさい…今日は土曜日でしょうが」
「学校ではない部活でござるっ剣道部!!!」
「確か工事で学校の道場使えないんじゃなかったっけ?」
「ああっ?!そうでござった!!!」
「はぁもう…ほら服」
「むっ…すまぬ」

朝から慌ただしく一人で騒いでいる幸村に佐助は仕方ないなぁと苦笑いを向けた。
制服から私服に着替えた幸村を朝食の並べられたテーブルのイスにつかせる。

「ったく…俺様がいなくてもお嬢さん生きていけるのかね」
「某とて家事はちゃんと出来るぞ」
「今朝みたいな騒ぎにもならないように出来るの?」
「うっ…それは…」

返す言葉も出なくて幸村は佐助から目をそらし目の前のパンにかじりついた。

「あっ…後で買い物行くからさ何処かに出かける時は戸締まりちゃんとしてね。あと俺様にも連絡して」
「わかったでござる」
「一応リクエスト聞くけど晩御飯何がいい?」
「佐助の料理ならば全て!!!」
「…欲張りだなぁ」

笑顔満開の彼女の願いならば叶えてあげたいが流石にそれは家計に響くのでカレーハンバーグとコロッケでも作ってやるかと頭の中でレシピを引き出しながら朝食を食べ終えた。
そして掃除や洗濯をし隣の家に住む政宗に誘われ佐助より早く幸村が出かけて行ったのを見送り、それから着替えて家を出たのは昼過ぎの二時で太陽が出てるとはいえ冷たい風に身をすくめながら佐助は財布を片手に近くのスーパーへと向かった。
 
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