バサラ小説

□名前
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「なぁ…」
「何?前田の旦那」

奥州に仕事でやってきた佐助とフラフラと各地を歩き回っていた慶次が丁度バッタリ会い、満面の笑みで慶次はせっかく会ったんだしこれも何かの縁だ茶でも一緒に飲もうと佐助の腕を無理矢理引いて茶屋へと連れていった。
そんなんでまあいいかと佐助は茶屋の腰掛けに慶次とドッカリと座りのんびりお茶や菓子を食べながら話しをしていた。
そしてふいに慶次がこんな事を言ってきた。

「あんたってさ、なんで名前呼ばないわけ?」
「は?いきなり何…」
「いや…思ったんだけど、ゆきちゃんは『真田の旦那』だろ?」
「ゆきちゃん言うな」
「んで武田のおっさんは『大将』で」
「おっさんって言うな…殺されるよ?」
「政宗の事は『竜の旦那』だしその重臣の片倉さんは『右目の旦那』」
「無視かよ…んで?何が言いたいわけ?」

茶を一口飲みながら視線を向ければニコォッと無邪気な笑顔が向けられる。
 
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