バサラ小説

□笑顔
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俺は奥州病院に来ていた。
同じクラスの悪友である政宗がここの医院長の息子で時々病院を手伝っていて、今日もその手伝いで走り回っているであろう彼をからかいに来たのだがやはり有名な病院とあって利用する人が多いようだ。
結局大勢の人が行き来している広い病院で会う事が出来ずブラブラ歩いていればいつの間にか俺は小児科にいた。
待合室の椅子には子供と親が大勢座っていた。
子供は風邪でも怪我でもやはり元気で、わぁわぁと騒がしい。
その賑やかさは近所の子供達と遊んでいる時に聞き慣れているので大して気にならなかった。

(そういや小児科って言ったら…)

と考えこむ前にその人はやってきて。

(ふはっ…似合わないなぁ…)

顔の左に傷があるその人は一見その道の人に見えるが立派な医者だ。
それも小児科を担当している。
初めて聞いた時なんか嘘だっと目を白黒させたぐらいだ。
それくらい恐持てなのだ。
しかし今は眼鏡をかけており表情が何処と無く柔らかく見える。

(…なんかでも、普通にカッコイイかも…)

そんな彼と自分は最近付き合い始めた仲だ。
なんというか気が合うというか、まあ不都合になれば別れればいいかとそんな感じで始めた関係であった。
しかし付き合い始めて彼を知っていく度に彼に惹かれていく自分を感じている。
今日見た彼も新鮮でなんだか顔を赤くして視線を送ってる奥様方の気持ちが分かる。
 
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