バサラ小説
□苦手なあの人、捕まる狐
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「はあ…」
これは非常にマズイ…。
森の奥深く緑に混じった明るい色の髪をもつ忍は顔についてる狐を模した面をつけたままガックリと座りこんでしまった。
「取れない…」
何が取れないかというとそれはもちろん顔につけた狐の面で…。
指をかけて剥がそうとしても引っかかっているのかカツンカツンと音をたてて少し動く程度。
「…マズイだろぉ…」
なんて言っていても主が呼べばすぐに向かわなければならない。
遠くでは自分の名を呼ぶ…というより叫んでいる二槍を持った主がいる。
しかし自分はこの面が外れない…。
あああぁと頭を抱えるが呼んでいる声を無視することは出来ない。
「…仕方ない」
すっくと立ち上がるとその場から忍―佐助は黒い羽を残して消えた。