シリーズ

□ロマンチスト?僕
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真中太郎(まなか・たろう)

それがぼくの名前だ。
父がフランス人のハーフ。

瞳はブルーで髪は金色。帰国子女という肩書きもある、のに



ぼくは時々思うのだ。どうして母は、"太郎"と名付けようとした父を止めてくれなかったのだろう。






日本の学校へ転校して間もなく、金髪ハーフの太郎がいると、学校中に広まったみたいだ。


廊下を歩いているとノリのいい男子が、ぼくに英語で話しかける。

生憎、ぼくは英語が得意じゃない。母国はフランスだったし。
日本語は、母と祖母が教えてくれたし完璧だ。




同じクラスの藤沢徹の友達に、フランス語を軽くだが話せる女の子がいると聞いた。
徹は、僕を彼女に会わせてくれた。


その子は、目が大きくて、ピンク色のグロスを塗った小さい唇に、長身の僕よりは随分小さい、可愛いという言葉が凄く似合う子だった。

その上、彼女の話すフランス語は子守唄のように綺麗で、ぼくは心を奪われてしまった。




見た目はフランス人だけど、ぼくは凄くシャイだ。
彼女が微笑むだけで、死にそうになる。話しかけるときも、巧くいかない。




彼女はモテる。あれだけ可愛いんだから、当たり前だろうなんて。


それでも、ぼくは舞ちゃんが好きです。








(いつか、君に打ち明けたい。)



***
ロマンチストだったらいいなあ
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