シリーズ

□ああ、運命の人
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ああ、運命の人。今貴方は何処へ?






「だから、すっごい格好いい人に慰めてもらったんだって!はあ…名前聞いておけば良かった」


「ねえ、梨華?一応聞くけど、失恋したんだよね?」


「うん、いいの!あんな莫迦男。」


莫迦男、って言ったのは貴方。


「それより、あたしの運命の人捜して…?舞ちゃん」



「うーん…その前に、手掛かりないじゃない」


「あ…あの人あたしの名前知ってたかも!制服も一緒!」




そういえば、梨華ちゃん、って…




「ねー、舞ちゃんたち何話してるの?」

其処に来たのは徹。

「はあ?あんたには関係な…「ね、徹?梨華の手伝いしてあげて…?」


「え、舞ちゃんに言われちゃったら断れないじゃん。仕方ないなあ!」





(舞逃げたな…!)
(だって、あたし分かんないもん)




あたしたちは、幼稚園が同じだった。あたしの父さんが転勤で、一端離れたけどまた再開、みたいな所。


相変わらず、徹は舞が好き。
分かり易すぎるけど舞は気付いてない、のかな。






「で、梨華?その人ってどんな人?」

「んー、格好良かった!」

「え…おれ?」

「バッカじゃないの!」




あたしはあの時の、あの人の印象を全部話した。
徹には期待してないけど、出来ることなら、会いたい。話してみたい。




「わっっかんねーよ!」

「役立たずっ…」





本当に相変わらず。良いことなのかも知れないけど、今のあたしには都合が悪い。





「んもー!」



「ぷ。んもー、って牛?」






入り口からする、声。
あたしの聞きたかった、声。

その甘い声に振り返る。



あの時より、ハッキリと姿を確認出来た。



「おー、洸じゃん!え、梨華の捜してたのって、洸?」





「梨華ちゃん、俺のこと覚えててくれたの?」

また。
デジャヴな笑みに、心臓が跳ねる。




「俺、洸っていうの。これから宜しくね?」









(上がる脈拍。染まる頬。声が出ない。)




________
洸くん でした
一個前と繋がってます^^

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