シリーズ

□恋はいつでも突然に
1ページ/1ページ



恋はいつでも突然に!








知らなかったわけじゃない。



心当たりは あった。それに、何度か目撃してたから。



それでも あたしはあなたを 信じていたかったから




見ないフリをした


なのに



「あ…」



「梨華…あ、これは━」





言い訳、出来るはずない状況、

彼氏が、あたしの知らない女の人と手組んで歩いてる。


「ごめんね…」




「梨華…?」




「ばいばいっ」





流れ出る涙を拭うことなく走って走って、走った。





「はぁっ、ああ…も、やだ…、うわっ?!」


「いでっ」



曲がり角を勢いよく曲がったところに、いたひとにぶつかった。



「あ、ご、ごめんなさい!」



「あぁ、うん。あんた馬鹿だねー。」


「は…?」



「いや、あはは」




何なの、この失礼な人…!
人が失恋して、傷心中で泣いてるのに…



「ちょっと、何がそんなに…っ」




その人は、ローファーをカツカツ鳴らしながら、あたしに近付いて、


「んー?あんな莫迦な男の為に泣いちゃうなんて、馬鹿だなーって。折角いい顔してんだからさ。ね?」




ニコ(ニヤ、とも取れる)、と笑って言った。




暗い中、ハッキリした目に、薄茶色の髪と薄い唇、口元のほくろが見える。
(あれ、この人、綺麗な顔してる…。)






タラシの様な殺し文句に、迂闊にも引っ掛かってしまったあたし。



「俺は、あんたがあの人と別れて良かったと思うよ、梨華ちゃん」











(莫迦な男のお陰かも)







.

名前はまだ出ません^p^
絡みまくります。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ