シリーズ
□恋はいつでも突然に
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恋はいつでも突然に!
知らなかったわけじゃない。
心当たりは あった。それに、何度か目撃してたから。
それでも あたしはあなたを 信じていたかったから
見ないフリをした
なのに
「あ…」
「梨華…あ、これは━」
言い訳、出来るはずない状況、
彼氏が、あたしの知らない女の人と手組んで歩いてる。
「ごめんね…」
「梨華…?」
「ばいばいっ」
流れ出る涙を拭うことなく走って走って、走った。
「はぁっ、ああ…も、やだ…、うわっ?!」
「いでっ」
曲がり角を勢いよく曲がったところに、いたひとにぶつかった。
「あ、ご、ごめんなさい!」
「あぁ、うん。あんた馬鹿だねー。」
「は…?」
「いや、あはは」
何なの、この失礼な人…!
人が失恋して、傷心中で泣いてるのに…
「ちょっと、何がそんなに…っ」
その人は、ローファーをカツカツ鳴らしながら、あたしに近付いて、
「んー?あんな莫迦な男の為に泣いちゃうなんて、馬鹿だなーって。折角いい顔してんだからさ。ね?」
ニコ(ニヤ、とも取れる)、と笑って言った。
暗い中、ハッキリした目に、薄茶色の髪と薄い唇、口元のほくろが見える。
(あれ、この人、綺麗な顔してる…。)
タラシの様な殺し文句に、迂闊にも引っ掛かってしまったあたし。
「俺は、あんたがあの人と別れて良かったと思うよ、梨華ちゃん」
その甘い声に、期待してもいいのでしょうか?
(莫迦な男のお陰かも)
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名前はまだ出ません^p^
絡みまくります。