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□君しかいらない
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いつから君は、僕の遠くに行ってしまったんだろう







「先輩、今日放課後…おはなしあるんです、けど…」

「あー、ごめん。暇じゃない」

「そ、うですか…じゃあ明日は…」

「つーか一生無理かな。その前に、あんた誰?」

「っ…最低っ」


バタバタと走り去る見知らぬ女子。
日常茶飯事。

告白の交わし方も、コツを掴んだ



「あらら、いいの?」


後ろからする声に振り向く。いつもの、聞き慣れた柔らかい声。


「あ?早紀かよ。いいの、あんな不細工」



かれこれ10年、幼なじみを続けている



「あの子一年で一番可愛い子らしいよ?」


一番、嫌なポジション。


「ていうか、秀はモテるのにどうして彼女作らないの?勿体ないよ」





平然と、まるで俺のことなんて微塵も興味なさそうに言う。
いつも人のお節介ばかり灼いて、





「…お前はどうなんだよ」




秀が、俺が欲しい、って答えを何よりも望む。もう抑えられそうにないんだよ、早紀。
意地っ張りな俺の殻を、破って欲しい、と。




「あたし…は」


一瞬驚いたような顔をした後、どこか儚げな視線を俺に浴びせた気がした、





「秀が幸せなら、わたし何も…」

馬鹿だな、早紀は。そんなこと言うから、好きになってしまう。それが、期待させる。


穏やかに笑う早紀を前に、胸の内を






「じゃあ、さ」




君しかいらない





(だから俺を幸せにして、なんて)

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ぐだぐだ←
なんていうか、切ないのが書きたかっ、た

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