☆龍華アビスonly短編小説☆

□君が頑張るから
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「ガイー!ガイ何処だ?」

とある日の昼。ルークはバチカルのファブレ邸にてガイの姿を探していた。
あちこち探し回ると、ガイの姿は中庭にあった。

「ガイ…」

「お、ルーク、どうした?」

ルークが声を掛け近寄ると、それに気付いたガイが爽やかな笑顔をルークに向ける。

「ガイ、今日は俺、メシ作ってみたんだけど、食べてみてくれないか?」

「ルークが?どうしたんだ?一体…」

「な、何となくだよ…」

普段料理などしないルークがご飯を作ったというものだから、ガイは瞳を丸くした。

「ははぁん…さてはご両親に食べさせる為の味見役だな?」

「ばっ、ちげーって!」

「わかったわかった」

ルークが料理をする理由をガイは勝手に一人頷き決めてしまった。対するルークは不機嫌そうに眉を寄せ否定するものの、ガイはそれを照れ隠しととったのかケラケラと微笑ましそうに笑った。
この誤解は簡単に解けないと踏んだルークは、仕方なくガイが言う通りと言うことにして食堂へとガイを連れて行った。



「……これ、ルークが作ったのか?」

「そうだよ?」

テーブルについたガイは、ファブレ邸の食卓に一人分…にしては些か多めの、見た目が決して宜しくない料理を見つめていた。そして、やがて小さな笑みを口元に浮かべる。

ああ、この笑顔は、保護者としての笑顔なんだよな……

ガイの笑顔に、ルークはそんな事を考えていた。

「さて、ルークの腕は上がったかな?」

ガイの楽しげな声にはっとして、ルークはガイに視線を送る。

ガイはまさに今、カレーを一口口に含んだ所だった。
目を閉じ味を確かめるガイに、ルークは内心ハラハラしながらガイを見つめていた。

暫く味を確かめ、ゴクンと飲み込んだガイは、一呼吸置いてゆっくり口を開いた。













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