☆龍華アビスonly短編小説☆

□君が頑張るから
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そんなルークの微妙な表情の変化を感じ取ったガイは再び、今度は心配そうにルークの顔を覗き込み、静かな声で尋ねた。

「……なぁルーク、どうして突然俺にこんなに何かしようって思ったんだ?」

ガイの問いにルークは小さく肩を揺らした。かと思えば、その顔は見る見るうちに赤くなる。

顔に集まる熱に今の自分の顔が容易に想像出来たルークは、直ぐにガイから顔を逸らす。
暫くキョトンとしていたガイは、耳まで赤くなり必死に何か言葉を模索しながら目を泳がせるルークに思わず小さく噴き出した。それが気に入らなかったのか、ルークは瞳だけをガイに向け膨れて見せた。

「な、なんだよ…何も言ってないのに笑う事ないだろ?」

「はは、悪い悪い…しかし、成る程そういう事か…」

クスクス楽しげに笑っていたガイは、やがてテーブルに肘をつき顎を手の平に乗せてニヤリと意味深な笑みを浮かべ呟いた。
その呟きに内心ドキッとしながらも、ルークは更にガイに問い掛ける。

「ななっ、成る程って何だよ?」

より一層頬を染めて必死な様子のルークに、ガイは柔らかな笑みを返す。

「……いや、今は言うのはよそう…いつかルークが自分から言うだろうし…それに、その時にはきっと……」

「……きっと?」

優しい口調で紡がれたガイの言葉が止まり、ルークは気になるのか息を呑んで続きを待つ。

「……何でもないさ。ほらルーク、早く何か頼まないと店員さんが困ってるぞ?」

「へ?あ、えーっと…」

慌ててメニューを見始めるルークを、ガイは微笑ましく眺めていた……。




「ルーク……お前が俺に気持ちを伝える時は、きっと俺も、ルークにベタぼれだよ…」

ルークには聞こえないように、ガイは幸せそうに呟いた。












end
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