08/07の日記

22:29
『午前3時21分乗車』
---------------

がたんごとん、
電車はまるで光の中を飛ぶように走る。
カムパネルラもこんな気持ちだったのだろうか。


「みて、」

光の中にいるみたいだ、



イアサントがまるで僕の心に触れたように囁いた。
視線は窓の外を眺めたままで、片方の肘をついた腕がやけに白い。

名を表した瞳は光が入り込んでは融けてゆき、また光る。


僕は彼の薄くて白色にも見える金の髪を見ながら、絵本の挿し絵を思いだす。子どもの為に色鮮やかに描かれた絵は綺麗で、昔はどうしようもなく怖かったけど、今ではわかる。あれは切なさなのだと。



「ねぇ、イアサント。僕は許したくはないんだよ」

尊い行為かもしれなくても、それでも。
許したくはないんだ。


「そう」

許してあげなよ、でも、許さなくてもいいよ、でもなくて彼はただ頷いただけだった。僕にはその答えで十分だ。



「みて、」

光の中にいるみたいだ、


イアサントは繰り返した。
その後で、僕の顔を見て首を傾げる。



「ねぇ、ノワゼット」






「僕たちは何処にいくの?」

「さぁ」

「終点になればわかるかな」

「終点があれば、ね」



僕はもうプラットホームの姿を覚えていない



















(砂に埋もれるように)
いつ しか、光  の中 に、 閉じ込 め られてし まうの  です、

































ーーーーーーーーーーーー銀河鉄道を漸く読みました。

前へ|次へ

コメントを書く
日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ