04/01の日記

23:53
「裸の王子様」
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えー・・・マイクテスマイクテス、繰り返すとなんだか呪文みたいですね。
まぁ、戯れ言は置いといて


ある所に裸の王様ならぬ裸の王子様のいる国がありました。

ちっちゃい子に人気の童話のように「馬鹿には見えない服」などと信じている訳ではありません。



ぶっちゃけると露出癖のある王子様なのです。

王子曰く、


「僕自身が一番美しいのに何で無粋な布なんか纏わなくちゃいけないの」

だ、そうです。


将来は水仙にでもなるんですか、と尋ねてみたい程自己愛に満ちた王子様ですが、内面は兎も角外見だけは誰もが感嘆の息を溢すような美少年でありました。

金糸の巻毛を頂に、薔薇色の頬、濃い睫毛に縁取られたエメラルド色の瞳。
西洋人ならではのミルク色をした肌に淡く滲む胸の飾り。
天使もかくや、といった愛くるしく美しい姿は人々を魅了してやみません。


彼は第三王子という中途半端な立場をいいことに政治や経済には見向きもせずに日々を愉快に気楽に過ごすことだけをモットーに生活していました。




「嘘ついてよ」

「はぁ」

今日も今日とて彼は喧しく呼び鈴を鳴らしながら教育係兼遊び相手の私を呼びつけたかと思うと、居丈高に命令を下しました。
兄2人に溺愛されて育ったが故の我が儘っぷりは今日も絶好調です。

「はぁ、じゃない。嘘だってば、嘘」

「嘘をつけと言われてすぐつける程、嘘つきじゃないんです。王子と違って」

関係ないですがこの部屋暑すぎます。暖房かけるぐらいなら服着て下さい。
昨今のエコブーム知らないんですか。

「・・・僕にそんな口利くの君ぐらいだよね。いいから嘘!嘘ついて!」

何なんですか、その必死さは。

そこまで期待されているのなら仕方ない。誰が聞いても一発で嘘だとわかる嘘をついてやろうではないか。精々がっかりするといいわ!

「・・・・・・世界で一番愛してます」

どうだ!つまらないだ、

「うん、知ってる。でも僕は嘘をつけっていったの」

「・・・・・・ん?」

んん?

「それを言うなら僕のことを嫌ってますってぐらい言いなよね。ま、すぐに嘘だって解るけど」

んんんんん?
いや、ちょっと待って。
待って下さいよ。

「だってこんな美少年嫌う人なんていないよねぇ」

にぃっこり、と自信たっぷりに笑み可愛らしく見えると計算した上で口元に手を添え首を傾げる。

うわー・・・、悪どい。悪徳商法並みに悪どい。

王子がここまで可愛い顔してなかったら殴ってた。多分、かなりの速度で殴ってた。
でも殴らない。
だって、俺綺麗な子好きだし。仕方無いね。

一番愛してないのは本当だけど。俺の一番はペットのシャルランテ(猫)です。譲れない。



「なら王子が嘘ついて下さいよ」

さて、王子からはどんな嘘が飛び出すのかと若干わくわくしながら待ってると
、王子は唯一その身につけている白いパンツに手をかけた。

あんれー、嫌な予感が・・・。


「僕ねぇ、今日から素っ裸で過ごそうかなって」


ペロリ、とパンツをずらしながら魅惑的に微笑む王子。

王子・・・。


「それ、嘘じゃないでしょうっ!?」

パンツは止めてー!
さすがに許されないから!人前ですっぽんぽんが許されるのは乳幼児まで!


「大丈夫、嘘だから」

「脱ぐ手を止めてから言って下さい!」







取っ組み合いになりながらも、何とか王子にパンツを穿き直させた私はその日1日英雄として多くの人々に讃えられ、一部の人からは恨みがましい目で見られました。





ーーーーーー
・・・エープリルフールだから馬鹿なことしてもいいと思ったんです。

※教育係の一人称は教育係としては私、通常は俺です。
※パンツは普通のトランクスにしようかカボチャパンツにしようか迷って決められませんでした。

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