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□メロディライン
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「お前気に入ったから俺のものになれよ」

「ふざけんな、この俺様野郎ー!!」









俺の嫌な予感は見事に当たってしまった・・・。

今、俺(あ、竜呀な)は学校の廊下を全力疾走中だ。

理由?

そんなの変態が後ろから追ってくるからに決まってんだろ!

「だいたい何で追いかけてくるんだよ!」

「お前が逃げるからに決まってんだろ」

「お前が追い掛けなきゃ逃げなくてもいいんだよっ!!」

「竜呀が俺のものになれば追い掛けねぇって」

「理不尽・・・っ!!てか名前で呼ぶなー!」

信じられねぇ!なにアイツ・・・!!

息が乱れてないとこが更にムカつく!

俺だって結構体力ある方なはずだけどちょっと息が苦しくなってきたっていうのに!

本当にちょっとだけどな!
「あ、おい・・・!」

ガンッ!!

「・・・〜っ?!」

痛てぇ・・・っ!

グラグラする頭を押さえながら上を向くと白い壁が・・・。

どうやら気づかないうちに突き当たりまで来ていて壁に衝突したらしい。

・・・痛いし、何より滅茶苦茶格好悪い・・・。

マジ最悪・・・っ!

「馬鹿・・・。後ろばっか見て走ってるからぶつかるんだよ。・・・ほら」

俺がうめいてる間に追い付いたらしい変態が呆れたように手をさしのべてくる。
誰がお前の手なんか借りるかよっ!

「馬鹿ってなんだよ!だいたいお前が追い掛けて来なきゃぶつからなかったんだよ!!」

「涙目で噛みついてきたって恐くねぇよ。・・・それとも誘ってんの?」

「〜?!」

変態!マジで変態!!

顔だけはいいのになんでこんな性格に産まれてきたんだよ!!

「どこをどう見たら誘ってるように見えるんですかね、先輩?頭の検査でもしてきたらどうですか?」

「先輩呼びもいいけど俺、高野 瀧って名前が有るんだけど?」

人の話を聞いちゃいねぇ・・・!

この高野 瀧(コウノ タキ)って名の見た目だけはいい癖に性格は変態俺様に出会ったのは三日前のことだ。





〜三日前〜

もう放課後だというのに、時期外れの転入生に学校中が落ち着きの無い雰囲気に染まっている。

「昨日、会長達が言ってた転入生ってかなりの美形みたいだねー」

暦が紙パックのイチゴミルクをくわえながら周りを見回した。

「・・・?なんでそんなこと分かんだよ?」
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