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□メロディライン
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「寒いー・・・」
ぐったり机に寄りかかった状態でぼやく。
「煩いよ竜呀、寒い寒い言ってるの聞いたら余計に寒く感じる。」
楽譜を片手にシャーペンを走らす葎。
サラサラと落ちてくる髪を時折鬱陶しそうに掻きあげる。
「・・・。」
喋らなかったら綺麗系美人でかなりタイプなのにもったいねー、なんて心の中で呟いてたら消しゴムが飛んできた。
コメカミにかなりの衝撃。
・・・ー、地味に痛てぇ・・・。
赤くなってるだろう所を押さえて軽く唸ってると今度は後ろから軽い衝撃。
「ー!今度は誰だよ!」
振り返ってみると床にわら半紙で折られただろう髪飛行機が。
・・・違った、紙だ、紙飛行機。
髪で織られてたら凄く怖い。
夜寝れねぇのは確実だ。
「あー、ごめん!飛行機意外と飛んじゃってさ」
ニコニコと無駄に爽やかげな笑顔で駆け寄ってくる葎の双子の兄、暦。
「教室で紙飛行機なんか飛ばすんじゃねぇよ!」
一昨日、自分が授業中にせっせと折って飛ばしてたことは棚上げさせて頂いた。
「だってー、退屈だし。」
「知らねぇよ。」
鳶色の瞳をくるんと回して首をかしげた暦の頭をはらいせにパシンと叩いておいた。
「あ、良いこと思いついた!」
「・・・・・・」
コイツがこんなことを言い出す時は大抵良いことなんかじゃない。
「あのさ、王様ゲームしない?」
・・・言わないでくれと言う俺の無言の訴えはどうやら何の意味もなさなかったらしいな・・・。
しかも、王様ゲーム?・・・あ、意外と楽しそうかも
「暇だし、やるかー」
「葎ー、葎もやるよなー?よし、決定!あと基も!」
「ちょっと、僕まだ返事してないんだけど・・・!」
・・・相変わらず似てない双子。あ、基いた。可哀想に気持ち良く寝てるのに。
「・・・。人数多い方が楽しいしな」
あまりにも気持ち良さそうなので叩き起こしに行くことにした。
(僕らの適当な日常、)