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□暗闇の果ての幸せ
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いつか君とみた夢。

願いよ届け、と呟いた夢は夜の闇に包まれるように吸い込まれ宛てもなく彷徨うだけ。


あいにく未来予知能力なんてものはないから、その時はこれからの運命なんて知らなかった。


やがて、見開いた瞳から枯れる事を知らないのかと思われる程の『泪』を流すことを……




君が「叶わない」と呟きながら俯くその理由を聞きもせずただ夜風が吹く時を過ごしていた。

今思い出せばあの時の君は泣いていたのかもしれない。
面では泣かず絶えず笑顔を作り続け、底では掌に溢れんばかりの『泪』を溜めて。


僕は今更暗闇な空に
「何が欲しいの?」
と余りにも手遅れすぎる言葉を紡げば、僕の中の君の唇は怒りか、悲しみなのか……
……夜の闇に震えていた。





出会ったあの時に心臓が熱く苦しくなるほどに胸突いた君の笑顔。

君を護りたくて


幼い小指と小指を繋ぎ小さな、脆く崩れやすい約束を

辛くても苦しくても抱き締めてきた。




(君の)傍に居れるだけで

(君と)同じ時間にいられるだけで

(幼い)遠い記憶、蘇る悲しみも温めて行けるのに

(君への)廻り続けている(永遠に終わらない)思いに

安らぎ満ちた終焉は来るのだろうか?


空へ繰り返した問い掛けは天に届かず舞い堕ちて
明けの空の色が君のようだと手を伸ばすけれど

君の手は愚か、風さえも掴めぬままに 『(君の)色』が『(君の)光』に変わる――









全て(僕が見る君の)幻
浮かんでは また、消えていく(無限輪廻)

そんな邪念をかき消そうとするも、指先に絡み付いた(君の色とは掛け離れた僕の)『無色』の鎖

振りほどこうと抵抗するも
藻掻く程に(愚かな僕はそれに気付かず)孤独を編んでいた


(救いようがない、と)断ち切られるように踵を返し後ろを向く風

冷た過ぎる今も
「君がいるから……君が『居た』からだよ」
と闇のドン底に堕ちた言葉


離れない







息をしてるだけで
(君と)同じ痛みを感じるだけで

ほんの少し(自分勝手な)幸せを積み上げる(勘違いの)愛

それに気付いてしまった



(嗚呼……そんな事をしても………君が還ってくる事は無い、のに)




あの時の凍えているのに気付き、互いに肩を寄せていたあの瞬間の君の瞳に


……護りたいものが 見つかったから


次の夜明けに(渡そうとしていた指輪を)手にしいてた(のに渡さなかった)後悔で錆びた(指輪の)欠片を……


『(君の)光』に変える――













(互いに)触れ合うだけで

(互いへの)その幸せを思っただけで

(嬉しさと寂しさ)こみ上げてく

(旅だちでおこる)束の間の『さよなら』も

(永遠に)消えぬ、(永遠の)絆になると















(お互いに、信じてた)














(君の)傍に居られるだけで

(君と永遠に)同じ時間にいられるだけで

(幼い頃の)遠い記憶 蘇る悲しみも温めていけるけど、そんなもの、もういらない

(僕の胸に)刻み込まれていた証が

(君の光に)導かれまた倒れる時も

(2人が再会し)見つめ合った一瞬が(光の早さを越え)千年の記憶を越え




『(僕と君の)光』に変わる――



















「……ごめんね、…今から『そっち』にいくから…『そこ』で一緒になろう、」













君が『そこ』にいるのなら、僕は死ぬのだって、怖くない。


(君さえ居ればそれでいいんだ)






















「…随分遅かったな、シゲル」


「ごめんね、……お待たせ、サトシ」




















暗闇の果ての幸せ。

(掴んだ終焉は幸か、奈落か)





















END





(ko/t/ok/o)の(a/go/n/y)の歌詞を頂きつつ、書きました。
悲恋系を書きたくて…つい←



 

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