Poke
□『好き』不足
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………近頃サトシが他の男の話ばかりする……
元々「シゲルは頭がいい」だの(まぁ俺の方が強いけど)「タケシは優しい」だの(まぁ俺の方が…※2回目)他にもヒロシだのジャッキーさんだの……
最近なんかシンジという輩までサトシの友達(?)リストに新規登録されたらしくしょっちゅう名前が挙げられる。
俺はそれを黙って聞いていてやるのだが……
基本的に好きな人……サトシの口から知らない奴の名前、特に男の名前が出てくる程腹立たしいモノはない。
………………正直、不愉快だ。
「…………なんかイライラする……」
「レッド兄ちゃーん!!!」
毎回同様に向こうからサトシが手を振りながら満面の笑みで走り寄ってくる。
俺は顔の筋肉が緩みまくりで手を広げてサトシを受けとめる…………………………いつもなら。
何故だか今日はイライラしているせいかそんな気分にはなれず、サトシの方を振り向くだけ。
「レッド兄ちゃん!今日シゲルに勝ったぜ!!!」
ほら、また男の名前……
「今度はシンジにも勝てるように特訓しなきゃ!!!」
嗚呼………
「あ、でもどんな特訓したら効率よく強くなれるんだろ?」
どうしようもないくらい……
「ねぇ聞いてる?レッド兄ちゃん」
「五月蝿い」
イライラする。