Everything in its right place

□9 Starlight@MUSE
1ページ/2ページ

合宿まで、あと少し。オレらのあわただしさも随分ひどくなって、練習と準備が半々くらいになってる気がする。
オレとか琴葉とかは松っつんの手伝い特にやってるし、忙しさは他の部員よりもひどいと思う。・・・でもまあ、別にそれが嫌って訳じゃないけど。

「ねえ、あんたらっていつから付き合ってるの?気づいたらって感じにしか覚えてないんだけど」

ある日の夕食時、国東さんがそんなことを突然言い出した。・・・いつって、分からないもんなのか?


Session 9 Starlight@MUSE


「いつって・・・春からですよ」

「は?何年前の?」

「「今年」」

国東さんがべきんと音をたてて箸をへし折る。・・・そんな意外な事か?ていうか、箸どうするんだ。

「えっ・・・じゃあそれまではどう思ってたんだよ」

「え、朝倉さんまで話参加すんの?・・・普通に友達、かなあ」

「さあ」

「さあってお前なあ・・・」

自分は関係ないという風情で黙々とご飯を食べる琴葉。・・・いや、お前も話題の中に入ってるんだからな?オレだけに答えさせたりするわけじゃないだろ?
一応オレら付き合ってるんだしさ、ちょっとくらい協力的になってもらいたいんだが・・・まあ琴葉らしいっちゃ琴葉らしいけどさあ。

「おい、じゃあ春に何があったんだよ」

「マルさんもなんだ!?・・・何か、智己ちゃんの失恋話聞いてたんですけど・・・」


***


「無理。あの女絶対無理」

「またふられたんだ」

「何かさ、付き合ってるんなら琴葉ともう話すなって言い出すんだぜ?」

「わーありがとー」

「超棒読みだよな、お前」

はあとため息をついて、机に突っ伏す。隣の琴葉は生返事を返すだけで、ケータイいじりに集中しているらしい。・・・全く、今回もダメだったか。
もう結構な数の女と付き合ってきたけど、オレが琴葉と仲良くするのを拒否するやつばっか。・・・別に、ただの友達なのに。

「何で皆嫌がるかねー」

「仕方ないでしょう。女なんてそんなもんじゃないの?」

「ちなみにその“女”の中にお前は含まれてるのか?」

「無いね」

「おい」

一応生物学上は女の癖に。そう続けると、軽く笑う琴葉。・・・何だかなあ。やっぱりさ、付き合ってた奴らと一緒にいるよか全然楽しいんだよ。
最初はあんなに苦手だと思ってたのに、それが嘘みたいだ。・・・不思議な話だよなあ。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ