Everything in its right place
□9 Starlight@MUSE
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合宿まで、あと少し。オレらのあわただしさも随分ひどくなって、練習と準備が半々くらいになってる気がする。
オレとか琴葉とかは松っつんの手伝い特にやってるし、忙しさは他の部員よりもひどいと思う。・・・でもまあ、別にそれが嫌って訳じゃないけど。
「ねえ、あんたらっていつから付き合ってるの?気づいたらって感じにしか覚えてないんだけど」
ある日の夕食時、国東さんがそんなことを突然言い出した。・・・いつって、分からないもんなのか?
Session 9 Starlight@MUSE
「いつって・・・春からですよ」
「は?何年前の?」
「「今年」」
国東さんがべきんと音をたてて箸をへし折る。・・・そんな意外な事か?ていうか、箸どうするんだ。
「えっ・・・じゃあそれまではどう思ってたんだよ」
「え、朝倉さんまで話参加すんの?・・・普通に友達、かなあ」
「さあ」
「さあってお前なあ・・・」
自分は関係ないという風情で黙々とご飯を食べる琴葉。・・・いや、お前も話題の中に入ってるんだからな?オレだけに答えさせたりするわけじゃないだろ?
一応オレら付き合ってるんだしさ、ちょっとくらい協力的になってもらいたいんだが・・・まあ琴葉らしいっちゃ琴葉らしいけどさあ。
「おい、じゃあ春に何があったんだよ」
「マルさんもなんだ!?・・・何か、智己ちゃんの失恋話聞いてたんですけど・・・」
***
「無理。あの女絶対無理」
「またふられたんだ」
「何かさ、付き合ってるんなら琴葉ともう話すなって言い出すんだぜ?」
「わーありがとー」
「超棒読みだよな、お前」
はあとため息をついて、机に突っ伏す。隣の琴葉は生返事を返すだけで、ケータイいじりに集中しているらしい。・・・全く、今回もダメだったか。
もう結構な数の女と付き合ってきたけど、オレが琴葉と仲良くするのを拒否するやつばっか。・・・別に、ただの友達なのに。
「何で皆嫌がるかねー」
「仕方ないでしょう。女なんてそんなもんじゃないの?」
「ちなみにその“女”の中にお前は含まれてるのか?」
「無いね」
「おい」
一応生物学上は女の癖に。そう続けると、軽く笑う琴葉。・・・何だかなあ。やっぱりさ、付き合ってた奴らと一緒にいるよか全然楽しいんだよ。
最初はあんなに苦手だと思ってたのに、それが嘘みたいだ。・・・不思議な話だよなあ。
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