Everything in its right place

□7 LastName@Carrie Underwood
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「こんにちは」

「琴葉。どうして・・・ああ、東体大か」

「そ。それにしても寛政大頑張ってたね。多分、予選通過できると思うよ」

「微妙なところなんだが・・・」

「何弱気になってるんだよ、ハイジ。周りのちょいちょい聞いてきたけど、7位8位くらいに入れそうだよ」

「あの、聞いてきたってどういうことっスか・・・」

「マネージャーさんにちょっとね」

「「・・・」」

「何その顔」

刹那さんはなんだか色々すごい人だと思った。


Session 6 LastName@Carrie Underwood


10月の予選会。それはオレらにとってすごく重みのある言葉だった。今日はオレとハイジさんで何とか時間を稼げたと思うけど、本当に微妙な所にいる。
そんな中で行けると言い切ってくれた刹那さん。彼女の言葉はほんのちょっぴり諦めも入ってたオレの心に自信をくれたと思う。
東体大の3年生である刹那さんは、多分応援とマネージャーのサポートをしにきたんだろう。
選手としてもすごいけど、雑務とかも高校時代によく手伝ってたから。

「琴葉ー昼食食べないのかー」

「松っつん私の分確保しといてー」

「自分でやれ」

「じゃあ浩介やっといて」

「え!オレ!?」

とか言ってしっかり従ってる榊。・・・お前本当に変わって無いのな。高校時代からこの人にこき使われて・・・いやなんでもないですよ刹那さん。ちょっと独り言です。
・・・危ない。なんであの人はこういうのにもとっとと気づくんだろう・・・。まあ榊が言われたこときちんとするのと同じように、オレもちゃんとやってたけど。

「あ、そういえばパ・・・藤岡さんが刹那さんの事知ってたみたいですけど」

「ハイジつながりでね」

「・・・そうっスか」

「藤岡相手に真正面から何でハゲてるのって聞いたときはちょっと愉快だったな」

「!?」

え、それ一番言っちゃいけないことじゃ・・・。いや、これはハイジさんの冗談かもしれな・・・

「やだなーハイジ。あの時はまだちょっと悪いこともぽろっと言っちゃってたんだよ」

本当だったー!さっきのムサさんといい、何で結構パゲだのハゲてるだの言っちゃうんだ!?・・・藤岡さんが流石にちょっと可哀相に思えてきた。
六道が仏教系の大学だからかなとか思ったけど、高校の頃からって事は違うんだよな。ちょっと理由が知りたいかも。

「でも結局そのときなんとなくって答えしか聞けてないんだよねえ。本当の所はどうなのか未だに知りたいねー」

「オレもそれはちょっと思う。・・・な、カケル?」

「・・・ハイ」

ここは頷いておいたほうがいいんだよな。だってハイジさんの目がちょっと恐・・・いやなんでもないですよハイジさん。ちょっと独り言です。
なんでこの二人は揃いも揃って心読んでるみたいに分かっちゃうんだろう・・・。

「それじゃあそろそろご飯食べに戻るわー」

「そうか。また遊びに来いよ」

「箱根が終わったらね」

にこりと綺麗な笑顔で笑ってから去っていった刹那さんは、相変わらずすぎてちょっとアレだった気がする。
藤岡さんが何でパゲなのかはいつかオレも聞いてみたいなって思ったけど。
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