Everything in its right place
□5 Sing for Absolution@MUSE
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「智己ちゃんってさあ、何で私のこと名字で呼ぶようになったの?」
「・・・さあ?」
「松っつんは最初から名前呼んでる」
「面倒だったんだろーな。付き合ってるんじゃないのかーって聞かれまくるのが」
「そっか」
え・・・会話終わりなの?ちょっと気になる内容だからこそっと聞いてたんだけど、あんま意味なかったかも。
Session 5 Sing for Absolution
オレも正直それはちょっと気になる。古賀と刹那は見ててなんとも思わないくらい自然に仲がいいんだ。
最初は付き合ってるのかって思うのが自然。でも、見てればすぐに分かるけど、あんだけドライなカップルは存在しないだろ。
普通にマジで喧嘩しだすし、いっつも止めに入る松平がちょっとかわいそうなくらいだよ。
「じゃあ別に名前で呼んでも良くないか?今じゃもう誰もそんな事言わないだろ」
「んー・・・じゃあ戻すか」
戻すって事は、前は名前で呼んでたってことか。・・・高校一緒って言ってたっけ?
てか6年くらい一緒にいて何で付き合わないんだか。不思議だよなあ、この二人も。
松平はどー見ても保護者だし、榊は刹那に片想いしてるみたいだけど、まあかなわないだろうな。
古賀と刹那が付き合うっていうのもちょっと考えづらいけど、無いことでは無い、と思う。
いつも一緒にいるみたいだし、なんだかんだで仲いいし。そりゃ最初は付き合ってるって思っても仕方ないだろ。
それに、互いに名前呼びじゃん。・・・刹那はからかってんのかもしれないけど。
智己ちゃんだなんて呼んでるのは普段だけで、真面目な時とかはちゃんと古賀って呼んでる気がする。
・・・あれ、それじゃダメか。真面目な時には呼び捨てにならないと。うーん、こいつらも脈があるんだか無いんだか。
「ねえ刹那」
「何ですかーマルさん」
「好きなヤツとかいないの?」
「あれ、珍しいっすね。マルさんがコイバナするなんて」
「気まぐれおこしてみただけ。・・・で?」
「やだなーいたらとっくに智己ちゃんと仲良くしてませんよ」
正論だな。全くもって正しいよ。・・・ま、その好きな相手が古賀である場合を除くけど。
でも本当にいないんだな。20も超えた女が未だに同じくらいの男と友人関係で仲良くしてるって言うのも随分妙な話だけどね・・・。
ま、それがコイツらのいいところなのかもしれない。そんくらいドライだと、オレも何も考えないようになってくるし。
あんだけ他人の恋愛事に首突っ込みたがるヤツがいっぱいいて、でもそいつらが何も言わないくらい普通のことなんだよ。
・・・もちろん朝倉達とは違う意味で、ね。
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