エターナルストーリー

□奇跡軍団
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「おいおい、そんなの聞いてねえぞ!ぼったくりじゃねえか!」
「やだなぁ、お姉さん。こっから先は無知が罪ってくらい、初心者には厳しい世界だよ?300Bでラプトを把握できたんだから、むしろ安いよ」
 ミューラの抗議も、さらりとした口調で流すクルト。さらにミューラが口を開きかけるも、それを遮るようにクルトがさらに話し続ける。
「それに、払わないってなると君たちの評判悪くなるよ。悪質冒険者認定されちゃうかも〜」
「そんな…酷い…」
 リエンが不安げに呟くと、クルトはにっこり笑って両手を突きだした。
「ね?300B払った方が得だよ?払おう?」
「う…じゃ、じゃあ払…」
「待ちなさい」
 ジールがお金を取り出そうとした所へ、鋭い制止の声がかかった。ジールたちがそちらを向くと、見知った顔が目に入る。
「あ、アーネストさん!」
「やあ、みんな。ラプトまで来たんだね」
 青い髪のメイジ、アーネストがにこりと笑って挨拶をした。そして眼鏡の位置を中指で直しながら、ため息混じりに眉をひそめる。
「クルト」
「ぎくり」
 忍び足でその場を去ろうとしていたクルトは、低い声で名を呼ばれて固まった。
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