エターナルストーリー

□樹海の奥で
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「樹海もだんだん深くなってきたわね。木が多くて日が差さないわ」
「う〜ん、なんか嫌な感じもするね。気をつけよう」
 樹海の東側は暗く、木が密集するほど生い茂っていた。アリシアとジールは初めて見る光景に、少し緊張している。それを見て、ラキがアリシアに優しい口調で話しかけた。
「アリシアさん、俺の側から離れないで…」
「お〜っと、手がすべった〜」
「ぐはっ!」
 ミューラはわざとらしくラキの腹を殴ると、そのままラキを引き寄せた。
「あたしらデート中だろ?アリシアよりあたしを守れよ」
「へっ、ミューラならゴリラだって倒せるだろ。守る必要なんか…!」
 ラキは息をのんで口を閉じた。ミューラがハンマーを思いっきり振りかぶっている。
「…全力で守らせていただきます」
「頼りにしてるぞ」
 冷や汗をたらしながらラキが言うと、ミューラは上機嫌に笑ってハンマーをしまった。ラキは安堵のため息を吐いている。
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