エターナルストーリー
□ミューラと決闘
2ページ/8ページ
「ほえ〜…」
自分の頭上を超えていったファイターを見送りながら、ジールが間の抜けた声をあげた。それと同時に、前方から勇ましい声が聞こえてきた。
「よっしゃ、勝ったぜ!」
その声に反応し、ジールは前を向いた。そしてその直後、目を丸くする。
「ええっ!この人!?」
ジールの目に写ったのは、金髪の女性だった。細くてすらりとした体格に似合わない、巨大ハンマーを軽々と肩に担いでいる。
ジールの後ろから、ラキとアリシアも現れてジールの横についた。それと同時に、女性がよく響く大きな声で周りに呼びかける。
「次、かかって来いよ!このミューラ様が恐いのか!あ〜?」
「ヒュ〜、おっかない女だな」
ラキが冗談っぽく口笛を吹きながら言うと、周りにいた群集が1歩下がった。どうやらミューラの強さに怯んだようだ。
「あの人、レベル11のクレリックだよね?すごく強いんだね〜」
「とんでもない力ね。あれに回復も加わるとしたら、かなりの脅威だわ」
「近寄らない方が身のためだな」
3人がひそひそと話している間にも、ミューラに挑戦しようとする者はいなかった。