エターナルストーリー

□アリシアを懸けて
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 そして通信機を取り出し、口元に持っていく。
「ラキ、聞こえる〜?」
 フレンドチャットでラキに呼びかけるジール。少しして、ラキから返事が返ってきた。
「おう、なんだ」
「あのさ、最近敵が弱いんだよね。どっかいいとこない?」
「へえ、レベルは?」
「6だよ」
 ラキは少しうなったあと、難しそうな口調で話を続けた。
「6か〜。まだ微妙だし、もう少しだけそこで頑張ってみろよ」
「やだ、飽きた」
「…………」
 即答したジールに、ラキは呆れて黙り込んだ。しかし、すぐにため息混じりの口調で口を開く。
「しょうがないな、じゃあリフェール練兵所でも来るか?」
「リフェール練兵所?」
「ああ、人間同士で戦う場所だ。俺もここにいるんだが、なかなか楽しいぞ」
「へえ〜、リフェール練兵所かぁ〜」
 ジールは夢見るように空を見上げたあと、アリシアの方を向いた。
「ねえ、アリシア。リフェール練兵所に行こう」
「私はいいわよ」
「やった!ラキ、行く!どうやって行くの?」
「南フラップ草原にいるんだろ?じゃあ真っ直ぐ北に進め。モンスター強いから、なるべく逃げろよ」
「了解〜。じゃ、またね」
 ジールは通信機の電源を切り、鞄にしまった。
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