エターナルストーリー
□ラキのレクチャー
4ページ/7ページ
「広い!」
草原に足を踏み入れた瞬間に、嬉しそうに叫ぶジール。ラキはその隣で苦笑している。
「おいおい、目立ってるぞ」
「ん?」
ジールが周りを見渡すと、何人かと目があった。しかしジールはそれらを気にせず、奥の方に目を凝らす。
「あ!ラキ、あの人戦ってる!」
「そうだな。ジールも戦ってみるか?」
「うん、戦う!」
目を爛々と輝かせながら答えたジールに、ラキは満足そうに頷いた。
「よし、やる気はあるな。そんじゃ…お、あれにするか。ジール、あそこにいるナメクジを攻撃するんだ」
「分かった!」
ラキが示したナメクジに向かって、全力疾走していくジール。ラキもその後を追う。
「ていっ!」
ジールはナメクジと対峙するなり、いきなり剣で斬りつけた。ナメクジは素速くジールの方を向き、体当たりを仕掛ける。
「うわっ!」
どん、と音がしてジールはよろめいた。しかしすぐにまた剣を構える。
「やったなー!」
「…戦闘中も騒がしいやつだな」
ギャーギャー騒ぎながらナメクジと戦っているジールを、ラキは遠目に見ていた。しばらくするとナメクジは動かなくなり、消滅していった。
「やったあ、勝った!」
「やったな、ジール。…ヒール」
「お?」
ラキの掌から癒しの光が放たれ、傷ついたジールを包み込んだ。