エターナルストーリー

□躍進する力
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 クルート高原は背の低い草が生い茂っている、緑の多い場所だった。風も強く、空気が爽やかだ。
「ここ、いい場所だね。樹海とは大違いだよ」
 ジールが大きく深呼吸しながら言った。しかしアリシアの表情は堅い。
「油断しないで、ジール。そこら中にモンスターがいるわよ」
 アリシアの言うとおり、そこら中に蛇が這い回っている。さらに巨大な花が不気味に蠢いていたりして、綺麗な景色を異様な形に彩っていた。
「花とか蛇なんてどうでもいいんだよ。あたしは首飾りが欲しいんだから」
「山賊がいるんだったよな。どこだ?」
 ラキが辺りを見渡すが、山賊らしき姿は見えない。
「もっと奥か。行ってみようぜ」
「待って」
 ミューラの号令で出発しようとしたところへ、アリシアが制止をかけた。
「私は入口近くでレベル上げしたい。もっと魔法の力を知りたい」
「ええ!アリシアさんはここに残るんですか!?じゃあ俺も…」
「よし、分かった。行くぞ、ラキ」
「え、ちょ、アリシアさ〜ん!」
 ミューラに引きずられながら、ラキは高原の奥へと消えていった。ラキの声が虚しく響く。
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