エターナルストーリー
□ラキのレクチャー
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さぁ…っと、風が潮の香りを運ぶ。眩しい日差しは青々とした空から降り注ぎ、世界中を照らしている。
このエバンの地に、１人の少年が降り立った。始まりはサンドラ大陸の港町、バスカルのアック区から。
「うっわぁ…これがエバンの世界かぁ…」
逆立つ銀髪を風になびかせながら、少年は気持ち良さそうに深呼吸した。たった今このエバンに誕生した新米ファイター、ジールだ。
「ここから大冒険が始まるんだ。ワクワクするなぁ」
辺りをキョロキョロと見渡しながら、ふらふらと歩いていくジール。が、その時、
ドン――――
「うわっ！」
何かにぶつかってしりもちをついてしまった。
「いたたた…」
「すまん、大丈夫か？」
「あ、うん、大丈夫…」
黒髪の青年が差し出した手に掴まり、ジールは立ち上がった。どうやらこの青年にぶつかってしまったようだ。
「ごめんなさい、よそ見してたよ」
ジールがばつの悪そうな様子で謝ると、青年は優しく笑った。
「いや、気にするな。君、新人だろ？俺も初めて来た時、そんな感じだったしな」
「うん、今来たばっかり。お兄さんは？」
「俺もまだ新人かな。名前はラキ、レベル６のスカウトだ」
ラキはそう言うと、ジールに向かって爽やかに笑ってみせた。