翡翠Main

□和服美人
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窮屈で苦しい
歩き辛い
何といっても慣れないこの圧迫感

幾重にも重ね着された堅苦しい襟元と、ゆらりと雅に揺れる袖。
一歩踏み出せばヒラリとはらめく裾。
『それ』は一見、控えめながらも鮮やかな花弁を散らす気品高い東方島国の伝統的民族衣装。
昔読んだ古書では確か女性が召していた衣…振袖。
淡いグリーンはアスランの翡翠の瞳に見事栄え、鏡に写るその姿はさながら大和撫子。

(なんだって俺がこんな格好しなきゃならないんだ)

不快をあらわにアスランは秀麗な眉目にしわを寄せる。

「よう、似合うじゃないかアスラン」
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