小説

□IMITATION LOVE2
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【IMITATION LOVE2】








江夏くんはボキの家に居座ることになった。
ボキとしては迷惑だなんて思ってないけど、
江夏くんはお節介だとか、しつこいだとか言ってくる。
けどこうしてボキと暮らすようになった。

「つーか、お前“雄輔”って奴と付き合ってんだろ?いいのかよ、俺とこんな…」
「付き合ってっていうか、俺奥さんいんだよね」
「ええぇぇ!?」

江夏くんは軽蔑の眼差しでボキを見つめた。
自分でも自覚してる…二人も愛人作ってるなんて最低だよね。
でも雄輔も江夏くんも…っていうかこの二人同じ人なんだけど…好きになったんだから下かないでしょ。

「あんなに犯しといて今更でしょ」
「なっ、あれは…お前が誘ったんだろ」
「そ、そうだけど…まさか受け入れるなんて…」

お互い反省すべきとこがあって、認めざるを得ないとこがある。

「もう江夏くんずるい」
「は?」
「ずるいったらずるいの!」
「…意味わかんね…」

ボキが不貞寝すると、江夏くんは隣に座ってきた。
寝そべってるボキの頭をさらっと撫でてきた。
同時に「ふふ」っと笑った。

「…なに」
「別に?」
「…んだよ、急に優しくなったり……ほんとずるい!……っ」

無理矢理転がされて江夏くんへ顔を向けてしまう。
江夏くんはにやっと笑っていた。
何かを企んでいるかのように。

「そうだな……俺はあんたのこと好きなのかもな」
「な、なに急に…」
「…なんでもねぇ」

そう言って、唇をボキの口へと付けてきた。
優しくて、強引で、それでいてよく感じさせてくれる。
入り込む舌も上手に口内を犯してくる。
彼とのキスは、格別だ。
雄輔と同じなのに、江夏くんの方がより愛おしくなる。

「ん、えな…つく…」
「…つかまってろ」

彼の言う通り、江夏くんの首へと腕をまわした。
強く抱きしめられ熱く口付けを交わす。
ぢゅっぢゅっと唾液が混じり合う音だけが部屋に響いている。
その音がボキ達の感情を一層強める。

「あ、はっぅ…」

気づけば江夏くんの指はボキの中にすでに入っていた。
ぐるぐると掻き回して、感じるとこを何度も触れてくる。

「ん、や…ら…だ、め…」
「好きなんだろ?こういうの…」

確かに…雄輔とよくするから、嫌いとは言えない。
でも好きでもないかも…痛いし、変な声出るし、何より恥ずかしい。

「あっ、そ…こ…」
「ん?ここか?」

一番の性感帯…つまり前立腺。
そこを見つけると、さっきの倍の力で触れてくる。
なんか、まるで喉に指でも突っ込まれたかのような苦しみ。
悶えるだけで、その苦痛からは逃げ出せない。

「ひゃっぅ…」

何度も何度も掻いてくる。
江夏くん、意地悪だよ…。

「ね…も、やめ…」
「イきそうか?」
「う、んっ」
「これだけでイくなよ…」

そう言われたけど、とうとうボキは―

「んあっぁ!」
「……」
「はぁはぁ…」

江夏くんにしがみつき、なんとか呼吸を整えようとする。
けれど、江夏くんはキスをしてきた。
息ができなくてつらいのに、今キスされたら…。

「ん…ふぅっ」

思わず涙が込み上げてきた。
苦しくて苦しくてたまらない…必死に江夏くんにしがみつき、苦痛を堪えようとした。

「淫乱だな」
「だれの…せい…んんっ」

キスをしながらボキの下唇を噛んでくる。
肉食動物の交尾かっつーの。
江夏くんってやっぱりそういうキャラなのかな…で、ボキは草食動物?
これじゃ完全に食われてるよね…。

「も…いい…から…」

ぐぐっと江夏くんを持ち上げて突き放した。
彼はまだ足りねー、みたいな顔してるけどこっちの体力がもたないって。

「…つるのー」
「あぁ、もう!だめ!」

伸びてきた手をぱしっと叩いた。
口を尖らせて一度舌打ちした。

「いきなり『好きだ』なんて言われてもさー、空気読んでよ」
「読めねー」
「…あーそー」

立ち上がり服を整える。
その姿を江夏くんはじっと見つめてくる。
物欲しそうな目をして、それでいて甘えたような眼差し。
江夏くん…黙ると可愛いんだけどさ…いざとなると猛獣だよ。

「…キスだけ」
「だめ」
「抱きつくだけ」
「だめ」
「…いっぺん殴らせろ」
「だめ」
「……んだよ…」

一通りの流れが終わると、江夏くんはベッドにごろんと壁側を向いて横になった。
ほんとこういうとこは可愛い。

「ふふ……なーに拗ねてんのさ」

―ちゅっ
耳の裏側に軽くキスをした。

「っっっ!!」

ものすごい勢いで起き上がり、顔を真っ赤にして放心していた。
耳を押さえながらぶるぶる震えだした。

「な、ななな、なにすっ!!」
「ふふーん、お返し」

江夏くんは歯をくいしばってボキに近づいてきた。
それから力強く肩を掴んできて、じーっと顔を見てきた。

「ぜっってぇー後戻りできねーようにしてやっからな!!」

何を言い出すかと思えば…そんなの承知の上だってば。
さらに顔を赤くして項垂れた。

「はいはい、江夏くんのこと好きでいてあげるよ」
「…っ」

額にキスをしてあげた。
すると甘えたようにぼふっと抱きついてきた。
よしよしと頭をぽんぽんと撫でた。
雄輔の格好してるけど、中身はやっぱり高校生なんだね。
まだまだ甘えたい年頃なんだよね。

ボキは江夏くんを愛してます……なんて、素直に言えればいいのにさ。





END








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ひかるさんいつもリクエストありがとうございます!
今回は短めになっちゃいましたね…それにR指定というか甘々になっちゃいましたし
ご希望に添えてなかったらすみませんm(_ _)m

それではいつでもリクお待ちしております

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