小説

□IMITATION LOVE
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【IMITATION LOVE】








最近仕事が忙しくて、雄輔と全然会えなかった。
メールや電話では連絡できるけど、なかなか会えないから寂しいな。
あっちのほうから「つるのさん会いたいよ〜イチャつきたいよ〜」って電話が来たけど、「仕事に集中しなさい」って言ってやったよ。

「今メールしても大丈夫っかな〜」

ポケットからケータイを取り出して、メールを打とうとした時だった。
―ドン

「あ、すいません……」
「ってめ、どこ見て歩いてんだよ」
「………あれ?雄輔?」

ボキの目の前には紛れもなく雄輔がいる。
今仕事場にいるはずなんだけど…?
あれ…でも髪型も髪の色も全然違う…っていうか前のやつに戻した?って感じ。
人違い…?いやでも、ボキが雄輔を見間違えるはずが…。

「雄輔?誰だそれ」
「え…じゃ、君誰?」
「っんでしらねー奴に名前教えなきゃ―」
「いいから!」
「っ、な…っんだよてめぇ……俺ぁ江夏卓ってんだよ……これで気が済んだか?」

江夏…卓?
あれ、これって…雄輔がドラマ出てた時の役名だったはず…。
ってことはあのドラマが復活するから撮影してるとか?
いや、そんな話聞かないし…。

「なぁ、お前本当に雄輔じゃないのか?」
「だから、雄輔って誰だっつってんだろ」
「ん〜??どーなってんだ…」
「……てめっ、ちょっとこっち来い」
「あっ、ちょ…やめてよ!!」

無理矢理引っ張られて路地裏に連れてこられた。
ボキを壁に押し付け、左手で街頭へ道を塞がれた。
鋭い目つきでボキをじっと見てくる。

「いいか、もっぺん言うけどな……俺は雄輔じゃねぇし、俺は雄輔って奴をしらねー」
「け、けど…どっからどう見たって…」

―チッ

彼の舌打ちに思わずビクッとなった。
雄輔はこんなことする奴じゃない……口調も荒々しいし、目つきもこんなに悪くない。
やっぱり“江夏卓”なのだろうか…。
だとしたら、なぜここにいる?

「気がつけばしらねー街にいるし……そしたらしらねーおっさんがぶつかってきやがって、その上俺を“雄輔”だとかほざきやがる……」

知らない…街?
だとしら…パラレルか…。

「迷惑料でも払ってもらおーか?」
「…はは、カツアゲ?」
「…嘗めてんのか」
「いや……」

相手は江夏卓だが、所詮姿は雄輔。
だとしたら…。

「お金をあげる気はない」
「……殴られてぇのか」

彼は右拳をぎゅっと握った。
チラッと見たけど、怖い気はしなかった。

「……体でならいいけど」
「なっ…」
「それとも、学生だからそんな根性なんてない?」
「っめぇ…ふざけてんのか!!」
「ふざけてないよ……君になら、どうされたっていいって思ってる……だって…」

だって、雄輔の姿をしてるから。

「…『だって』、なんだよ」
「ううん…別に…」

そっと彼の口元へ自分の唇を重ねた。
彼は一瞬驚いたようだけど…。

(やべ…なんで…俺……)
「ん…ぁん」

強く抱きしめられて。
舌が侵入してくる。

「…んぁ…いいの…?」
「…てめぇが誘ったんだろ」
「まさかほんとに…」
「貰うん貰わねぇと気が収まんねーんだよ」

そう言って、ズボンに手を入れてきた。
素早い動きでナカへと指を滑らせていった。
こういうのは初めてなのだろうか、入れたあとは動きがぎこちなかった。
それでもボキは感じてしまう。

「ん……んっ」
「…変態だな…」

雄輔と出来ない分、これで埋めれるならいいかなって思う。
彼は外見、性格は荒々しいのに…ボキを優しく触ってくる。
指をぎちぎちと掻き回し、何かを探っている様子だった。

「前立腺ってのはどこだよ…」
「…う、ん…もっと、奥……」

自分から教えるのってどうかと思ったけど、気持ちいいから…。

「は…そ、そこ…」
「ここか…」

ニヤリと笑い、感じるところを指で何回も掻いてくる。
度々体がぶるっと震え、今にも我慢が途切れそうになる。
彼は珍しいおもちゃを見つけた子どものように笑みを浮かべながら続ける。
ボキはただただいやらしい声をあげるばかりで、彼の姿なんてもう瞳には映っていなかった。

「あ…ひゃぅ…」

気がつけばズボンが下へ落ちていて、硬く上を向いたソレが彼の前に現れる。
恥ずかしさのあまり、手で隠したが、彼はその手を振り払い、握ってきた。

「こんなに勃たせやがって…」
「ふ、くっ……き、君は…どう、なの…」

お返し彼の股間を触った。
ボキと同じように堅く大きくなっていた。

「ほら…君だって…」
「……るせぇ…」

そう言ってボキのを扱き始めた。
にちゃにちゃと音をたて、その音がボキと……彼を興奮させる。
みるみるうちに先走りが溢れ、さらに快感がボキの体をはしる。

「あ……ほ、しい…」
「ん?」
「んぁ…君の、ほし、い」

願い乞うようにキスをした。
ためらいもなく、彼は舌を絡ませてきた。
そして、自分のズボンを下ろし、彼のソレをボキの中へと押し込んできた。

「すんなり入ったな…」
「雄輔と、してる…から……ん、ん」
「……てめぇらホモなのか…」
「ホモって言わないでよ……俺は、雄輔しか、好きにならない、から…」

あっそ、と彼は言って行為を続けた。
ずぶずぶと力強く押しつけて、一気に奥まで突いてくる。
雄輔の時と違って、別な気持ちよさ。

「ん、ん、あっ」
「…は、はぁ…はっ…」

ああ、雄輔…ごめんね……浮気しちゃった。

「も、出そっ…」

―びゅくぅっびゅるっびゅっ
二人の間を飛沫し、ぽたぽたとかかる。
一気に生臭さが広がる。

「…イって…いいよ?」
「……」

彼は無言のまま、ボキの中で放出した。





「……」
「……」

近くの喫茶店に入ったのはいいけど、彼はほとんど黙ったまま。
仕方なく、ボキから質問とかするんだけどさ。

「…ほんとそっくり…っていうか本人じゃん」
「しつけーな…」
「江夏くん、かぁ〜……好きになりそう」
「はぁ!?」
「ごめん……だって雄輔の顔なんだもん。手も足も体も…アソコも……!いってぇ!!」

容赦なくでこピンがくらわされた。
鬼の形相でボキを睨みつけてきた。

「だってしょうがないじゃん!ほんとに雄輔そのものなんだから!」
「ぎゃーぎゃーっせぇんだよ!やってらんねー!」

席を立ち店から出ていった。

「ちょっと!!あ、これ…おつりいいですからっ」

お金を払って彼を追いかけた。

「ちょっと待ってってば……」

―ガシッ
彼の腕を掴むと、あっさり止まってくれた。
ボキを引っ張ってでも歩いて行きそうなのに。

「……」
「ねぇ…」

するとクルっとこちらを向き、ボキの肩を掴み……
―ちゅ
キスした。
そのキスは数十分前のキスとは別もので、とても優しかった。

「……てめぇのせいだからな」
「え……」

お互いぼっと顔を赤くして、ボキは彼を見つめ、彼はボキから顔をそらした。
周りの人に見られてるのがわかる。
けど、そんな恥ずかしさより、今彼からキスされたことが恥ずかしい。

「え、えな、つ、くん」
「お、俺…帰る……」
「か、帰るってどこに…」
「し…知るかよ!!」

江夏くんは早歩きでずんずん前に進んでいく。
ボキは置き去りにされたまま、彼の姿を追った。

「ちょ、江夏くーん!!」

慌てて彼の元へ駆け寄った。





END








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ひかるさん、リクエストありがとうございまーす
江羞ということでしたが、いかがでしたか?
…というよりか、「あれ?羞と心って付き合ってんの!?」と思う人が大多数かと
えぇ、勝手な設定ですが、付き合ってるんです
なんて自由な奴でしょう、心音は(汗)

それでは、いつでもリクエストお待ちしております

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