小説

□メルト*タイム
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【メルト*タイム】








直樹がボキのうちに来た。
話したいことがあるとかなんとかで。

呼び鈴がなり、すぐに扉を開ける。
そこには直樹が黙って立っていた。
帽子を深く被り、手にはコンビニの袋を持っていた。

「剛兄っ、飲みましょう?」
「え…あ、うん」

なんだか、いつもと様子が違うような、違わなくないような。
とりあえず、直樹から「飲もう」なんてあまり誘ってこない。
これは何かある、とボキは思った。

「はい、どーぞ」
「……」
「剛兄?」
「…どしたの」

付き出されたビールの缶が引いていく。
同時に直樹の表情が曇った。

「…別に何もないですよ…」
「……ウソ…」
「ウソじゃないです!」
「ウソだろ!そんな顔して…」

下唇を噛みしめて項垂れた。
今にも泣きだしそうな顔。
直樹は………ボキ達よりつらいからね…。

「ほんとに…なんでもないですから…」
「…そっか、うん、じゃ飲もう?」
「は、はいっ」







カラッ

缶が倒れて、小さな空間の中を音が響く。
缶と同じ方向に直樹がテーブルを滑る。
これは完全に―

「直樹、酔った?」
「へ?僕が?全然酔ってまへん!」

酔ってるな…。

「僕、こんなんじゃ…酔へません……うっ」
「ほらぁ〜、ベッド貸すから寝なさい」
「らいじょぶ、ですってぇ〜」

そう言うが、ほんとにベロベロでもう一人じゃ歩けない感じ。
手のかかる弟だなぁ。
でも憎めないよ、ってか絶対憎めない。

ボフッ

さっきまで「酔ってない」って言い張ってたくせに、もうスースー寝てる。
なんだかんだいっても、可愛い奴だな。

「直樹…」

そっと頭を撫でてやった。
ぴくっと少し動く。
くすぐったかったのかな…。

「じゃ、片付けっか…」

と立ち上がると―

「剛兄っ」
「え?わっ!!」

腕を掴まれ、引っ張られ、元の場所に戻された。
見ると、直樹がニマーっと笑みを浮かべていた。

「なに…」
「行っちゃヤです」
「おまえ、寝てろって…酔ってんだから」
「酔ってませんってば」

ちゅ―くちゅ

いきなりキスされた。
不思議と嫌じゃなかったけど、不意だったから驚いた。

「ちょ、直樹…」
「んっ、もっとしたい……」

そう言ってまたキスしてきた。
舌が無理矢理捻じ込まれて、口内を犯してくる。
ほんと、いつもの直樹じゃない…。
酔ってるせいもあると思うけど。

「んっ、はっぁ…」
「た、けに…んぁ」

ペロペロペロペロ舐めってくる。
ボキはそれにしょうがなく付き合ってる感じで…けど嫌じゃないんだけどね。

「ん……あれ…」

気付くと、僕は直樹の下になっていた。
見下ろす直樹の顔は笑顔で、なんとなく怖い。

「剛兄〜、気持ちいーこと、しましょうか?」
「…ダメ」
「“ダメ”じゃないですよー」

ボキのズボンを脱がしていく。
抵抗はしなかったけど、ちょっと恥ずかしい。
だってまさか、直樹にこんなことされるなんてさ…。

「ほら…剛兄の少しずつおっきく…」
「ば!言わなくていいから……んっ」

直樹はなんのためらいもなくボキのソレを舐めた。
ゾクゾクと走る衝動。
直樹の舌が下から上へと動くのを感じる。
いや、感じるってもんじゃないな、これ。
もう、なんか、感じたことない感じ?

なおも直樹は舐めることをやめない。
ボキのはまた少しずつ大きくなっていく。

「な、おき…」
「気持ちいいですか?」
「き、気持ちいいっていうかさ……その…」
「…?」

びゅくっ

「あ…」
「な、直樹!ごめん…」

思いっきり直樹の顔にぶっかけた。

「もー!直樹!…寂しかったんだよな?」
「え……」

呆然とする直樹を抱きしめた。

「だからこんなことして…」
「ち、違います!」

力強く言い張る直樹。
じゃあ、どんな理由だろう。

「ぼ、僕…た、たけ、兄が……そ、その…」

あ―そいうことか。

「…まず、顔拭こ?」
「んっ」

ティッシュでしっかりと拭き取る。
若干生臭さは残ってるけど、直樹の顔にはついてない。
その頬に、ボキからキスをした。

「た、たけに!」
「二人だけの秘密だからね?」
「そ…そんなの当たり前!」
「直樹……好きにしていいよ」







「剛兄、挿れますよ…」
「うん…いいよ」

ズッ

「んっ」
「あ、痛い…ですか?」
「だい、じょぶ…」

さっきの積極的な直樹とは違って、挿れることには躊躇してるようだった。

「だったらさ…」
「え…えぇ!?」

直樹を倒し、ボキはその上に乗った。

「た、たけに…こ、これ…」
「直樹動かなくていいよ、俺、動くから…」
「や、ちょ!ま、待ってください!!」
「え?」

待てって言われても、もう入ってるし。
むしろやんないとこっちの気が…。

「動くよ?」
「だ、め、ですってば!ま、まだ準備が…」
「ここにきて準備って……」

直樹は深呼吸を二、三回してボキをじっと見た。
不安げな顔で、どこか可愛げがある。

「いい、ですよ…」
「うん」

ボキは上下に動く。
ただひたすらそれだけ。
お互いに喘ぎ声をあげて、快感を得る。

「んんっ、たけに〜…」
「ん?」
「剛兄のなか…ぐちゃぐちゃで…」
「言わなくていいって…恥ずかしく……ほらぁ」

ボキのはまた大きくなっていく。

「剛兄、また……」
「し、仕方ないだろ!俺がやられてるほうなんだし…」
「でもさっき出したのに…」
「う、るさい!」

やけになって動きを速めた。
速くしたってボキの中にはいってるから、あんま意味ない気がするけど…。

「あ、あの、もっとゆっくり…」
「え?」
「だ、だって、僕……あ、もう…」

次の瞬間、熱が流れてくるのがわかった。

「すみません…」
「いいよ……気持ち良かったし…」
「あ、あの」
「…俺も直樹のこと好きだから」

…なに言ってんだろ。
好きだからこういうことするのかっつーの。

「いったん、抜くよ」
「は、はい」

直樹のを抜く音はそれはもう、卑猥でエロい。
同時にボキのなかから少しだけ、直樹の出したモノが外へ出ようとする。

「…っ、結構出したんだな」
「だ、だって…剛兄、こんなことするから…」
「自分から挿れたがってただろ?」
「そうですけどぉ…」

直樹は自分のモノを隠しながら言った。
今更恥ずかしがってんのかよ。

「あのですね…」
「?」
「ほんとは、寂しくて…構ってほしいから、ここに来たんです…」
「あ―」

突然の告白にボキは唖然とした。
期待を裏切られたっていうか、驚いた?
最初はそう思ってた、けどボキの事が好きだからってことになりだして、最後にまた一転して寂しいから…か。

「うん、わかってる……直樹は、ウサギだもんな」
「は、はぁ?」
「じょーだん。……けど、俺は直樹のこと、見守るよ?」
「……剛兄…」

直樹が誰からも見てもらえなくても、ボキがずっと直樹を見てあげる。
だって、大切な弟だから。

「もう遅いし、寝よ?」
「え…ここで?」
「うん、泊まってっていいよ」

そう言って、頬にキスをした。

「ドキドキして、眠れそうにないですよ……」
「…俺も」

抱き合う二人。
直樹にきこえるくらい、ボキの心臓は鼓動する。

熱くて融けそうだ。





END








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ななともさん、リクエストありがとうございました!
無理矢理っぽくなかったですけど、お気に召したでしょうか?
そして終わり方変だろこれぇぇぇ!(黙
すみませんっ

うp主の脳みそがとければいいのに…

またリクエストがあったらお待ちしてますよ!

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