小説大会

□君の名を呼ぶ
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□大好きなあなたに最高のプレゼントを(ルキア視点)
クリスマス。それは恋人たちの最大のイベント

いよいよ明日はクリスマス。私は一護に何をプレゼントするか迷っていた。
(明日朝早くプレゼントを買いに行くか。一護には何がいいだろう)
そう考えていると一護の携帯が鳴った。
プルルルルルル
「はい。あ?井上?」
私はその言葉を聞いて思わず自分の耳を疑った。
なぜ織姫から一護に?そう思っていると私の携帯にも連絡が入った。
私はリビングから出ると、通話ボタンを押し電話に出た。
「もしもし。」
『ルキア久しぶりだな元気にやってるか?』
「恋次!久しぶりだな!おまえこそ元気か?」
久しぶりの幼馴染の声に少し嬉しくなる。
『おう。隊長や他のみんなも元気でやってるぜ!』
「そうか・・・。そういえば恋次。私に用があったのか?」
『あぁ。実はよう、乱菊さんに現世の香水を買って来いって頼まれたんだ。
 頼まれたはいいが、どこに売ってるか分んなくてよ。一緒に探してほしいんだけど。』
私は少し考えて答えを出した。
「しょうがない。松本副隊長がらみだ。つき合ってやろう。いつ行くのだ?」
『明日だ。』
(丁度いいついでに恋次にプレゼントの相談に乗ってもらおう。)
「わかった。明日私が浦原商店までいってやる。」
『サンキューな。おやすみ。』
「あぁ。また明日。」
私は携帯を切りリビングに戻った。すると一護も電話は終わっていたようだった。
「あ、ルキア俺ちょっと明日出かけるから。」
「・・・私も明日出かける事になったから丁度いい悪いが明日早いから先に寝るぞ。」
「あ、あぁおやすみルキア。」
「ん。おやすみ」
私は、一護が誰と出かけるのか気になった。しかしあまり深くは考えなかった。

次の日、朝起きると一護は先に出かけていた。私は朝食を食べ、浦原商店に向かった。
「あれ〜。朽木サンどうしました?黒崎さんは一緒じゃないんですか?」
「あぁ。今日は恋次と松本副隊長の香水を買いにな。」
すると、聞きなれた男の声が聞こえた。
「ようルキア久しぶりだな。」
「恋次!元気でやっているようだな!しかしお前、死覇装のままでは買い物できんぞ。」
私は溜め息をついた。すると浦原が義骸を貸してくれるというので、
少し疑いはあるが素直に義骸貸り、近くのデパートへ出かけた。

デパート二階、男性用小物店
「恋次。香水を買う前に一護のクリスマスプレゼントを選んでもよいか?」
「あぁ。何買うんだよ。」
私達は一通り店を回り黒い腕時計を選んだ。レジに持って行き、
綺麗にラッピングしてもらう。
「よし!では松本副隊長の香水を見に行くぞ!」
「おし!ってどこに売ってんだ?」
「うむ。」
私はエレベーターの近くの案内図を見た。
「おお!あったぞ四階だ。ほれ、行くぞ恋次。」
私達はそのままエレベータに乗り、四階へ向かった。

「あったぞ!これだ。」
恋次の手には私でも知っているぐらいのすごく有名な香水だった。
「恋次、これけっこう高いぞ値段。」
「おう大丈夫だ。乱菊さんの給料を浦原さんに、現世の金と換えてもらったんだ。」
そういって三十万円財布から出した。
「わざわざ出さんくていい!!ったくいくぞ。面白眉毛!」
「てめっ!今なんつっ・・・」
恋次が何かを言ったようだがその時、私の耳には入っていなかった。
私の目の前には、まるでカップルのように仲良く歩く織姫と一護の姿があった。
すると、こっちに気づいたのか‘しまった’という顔の一護がいた。
私は訳が分からなくなってその場から逃げだした。
なぜ?いや、もうわかっていたのかもしれない。そうだ、
一護は私に飽きてしまったのだ。いくら私が思っても相手にその気がないのなら
しょうがない。そう自分に言い聞かせて走り続けた。

街の中をぶらぶらしていると夕飯の時間になってしまった。
家に帰ることもできず、私は浦原商店へと向かった。
浦原商店に向かうと意地の悪い笑みをうかべ、声をかけてきた。
「どうしたんすか?つらそうな顔して・・・。相談に乗りましょうか?」
普段の私ならすぐにぶん殴っていただろうが、その時の私には救いの言葉だった。
テッサイに居間のこたつへと案内された。
「さて・・・。どうしてそんな泣きそうな顔をしているのから聞きましょうか?」
その時自分が泣いていることに気がついた。
「恋・・次と香水・・売場・・を・・みてい・・たら、一・・護と織姫・・・が。」
しゃくり上げながら話していると後ろから抱き締められた。
「・・・だめっすね〜黒崎サンは。大事な彼女泣かせちゃって。」
「浦・・・原・・・?」
浦原を見ようと横に顔を向けるとそこには驚いている一護がいた。
「あんた!ルキアに何してんだ!!」
一護は叫ぶと浦原に掴みかかった。
「女を泣かすような男に、彼女は渡せませんね〜。」
「んだと、テメー!」
一護はさらにつっかみかかった。
「やめろ一護!」
「あ?なんでだよ!」
「浦原は私の話を聞いてくれていただけだ。」
私は浦原に‘すまぬ浦原’というと。少し腫れた目をぬぐい一護の服の裾を
握った。すると、私の気持ちがわかったのだろう。
一護は浦原に小さく頭を下げると私の手をつかみ浦原商店を後にした。

リビングに入ると一護はおもいっきり私を抱きしめた。
「い、一護?どうしたのだ?」
「ほんとに何もされてねーのか?」
一護は抱きしめていた腕を緩め、私の顔を見つめる。
「一護。貴様、私に飽きたのではないのか?」
「は?何言ってんだ?」
一護はいつも以上に間抜けな顔をしていた。
「し、しかし織姫と仲良さそうに歩いていたではないか!」
「え?あ、いや・・・それは・・・。」
目を泳がせこちらを見ようとしない。やはり・・・
「お前のためだよ。」
?今何て?
「クリスマスプレゼントを選ぶの手伝ってもらってただけだよ。」
そう言うと恥ずかしそうにきれいにラッピングしてある箱を私に差し出した。
「これは?」
「香水。何買ったらいいか分んねーから井上に見てもらっただけだよ。」
恥ずかしいのか少し顔が赤い。
莫迦者。こっちまで恥ずかしくなるではないか。
「・・・でも、なんで恋次と一緒にいたんだ?」
「あぁ。松本副隊長の香水を見にな。・・・そうだ!コレ・・・。」
私はバックからプレゼントを取り出しそっと一護の手の平に置いた。
「黒い・・・時計?」
「私からのプレゼントだ。」
すると一護は私に小さいキスをした。
「大好きだ。ルキア。」
「ありがとう。一護。私も大好きだ。」
さっきより深くキスをすると、二人で最高のクリスマスを過ごした。

                                   Fin

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